第19話
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てくれているのか?」
周囲を見回して誰かを探している様子のフィーを見たリィンは尋ねた。
「……ん、ARCUSで連絡があったから。今のところは収穫なしだけど。」
「そうか……助かるよ。」
「……妹さんや実家のことで色々あるみたいだね。」
「……はは、聞いたか。俺は由緒正しい血は引いていない。他の貴族とは事情が全然違う。だからこそ、俺は最後には家を出なくちゃならない。エリゼも。それくらいは理解してくれていると思っていたけど……」
フィーに指摘されたリィンは苦笑した後決意の表情で答えた。
「……わたしも、猟兵団に拾われるまではひとりぼっちだった。本当の親も知らない……だから、リィンの気持ちも少しだけわかるかも。」
「フィー…………」
「……でも、団はわたしにとって”家族”だった。『自分が出て行くべき』なんて発想自体をさせてくれなかった。……リィンの”家族”はそうじゃなかった?」
「そ、それは……」
しかしフィーに問いかけを聞いたリィンは口ごもった。
「ま、わたしが言えたことじゃないのかもしれないけど。……今は妹さんを探そう。」
「……ああ、そうだな。そっちは頼む、フィー。」
「ん。」
そしてフィーと別れたリィンはエリゼを再び探し始めて一通り校舎を見回った後校門に戻った。
〜校門〜
「……参ったな。街の方に戻ったのか?でも、何となく学院内に居そうな気配もするんだが……」
「よ、後輩。何してんだ?」
リィンが考え込んでいたその時銀髪の青年―――――2年の平民男子学生であるクロウ・アームブラストがリィンに近づいてきた。
「クロウ先輩……いえ、ちょっと人を探していまして。」
「なんだ、Z組のお仲間か?それとも2年の女子あたりに告られてトラぶったのかよ?」
「いえ、俺の妹で学院生じゃないんですが……」
クロウの問いかけを聞いたリィンは呆れた様子で答えた。
「へ〜、妹なんていたのか。俺様のカンじゃ、一人っ子っぽい気がしたんだが。」
「…………それは…………」
クロウの指摘にリィンが複雑そうな表情で答えに詰まったその時
「ああ、それじゃあさっきの子か。帝都にある”聖アストライア”の制服を着た黒髪の子だろ?」
「ええ、多分それです!どこで見かけましたか!?」
クロウの答えを聞き、血相を変えて尋ねた。
「さっき、学院裏手の道で白服と話してるのを見かけたぞ。ほら、あの偉そうな1年……パトリックの坊ちゃんだったか。」
「あいつと……!?」
先月のパトリックの自分達に対する暴言を思い出したリィンが厳しい表情をした。
〜校舎内・裏手〜
一方その頃エリ
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