第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
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にする為によ」
炎を自在に生みだしそして操るこの 『能力』 に関しては、
少女の方が遙かに熟練者、というより専門家であり自分は素人も同然だというコトは
百も承知していたが、即座に諦めてしまうにはどうにも惜しい 『能力』 だった為
承太郎は諄いと想いつつも食い下がる。
その背景には己の 「弱点」 を補うコトも在るが、
シャナのように(条件付きではあるが)破壊された街や傷ついた人間を
元通りに 「修復」 出来る 『能力』 を獲得出来るかもしれないという想いが在った。
しかし。
「“フレイムヘイズでない者” が、 強力な 『炎の自在法』 を
遣えるようになれるわけないでしょ?」
壇上のセンセイは、不良生徒の淡い期待を清々しいまでに粉砕する。
「“自在式” が編めないんだから、 実戦レベルまで “もってく” のは事実上不可能よ。
要はおまえ達にその能力の 「流れ」 を感得させたかった、ただソレだけ。
そしてソレは、 その気になれば有形無形を問わず
“自在に形容を換えられる” というコトも一緒にね」
「……」
ワケの解らない専門用語も織り交ぜられながら、
取り付くしまもない程に論破され沈黙以外の選択を余儀なくされる不良生徒。
右手に宿っていた狂暴な炎の塊も、いつのまにか立ち消えている。
“こいつはオレらに一体何がさせてーんだ?”
苛立ちと共に心中でそう呟きながらも、
解らない事は考えてもしょうがないので承太郎はセンセイの言葉を待つ。
「もう一度いうけど、 “フレイムヘイズでない” おまえ達に、
『炎の自在法』 を教えるつもりはない」
センセイは念を押すように、腕組みをしたままそう告げる。
「でも存在の力を操る術、 “自在法の理念” を理解し、ソレを 「応用」 する事、
つまりおまえ達自身の 『能 力』 に “自在法” を 「組み込む」 コトで、
より精密に、高性能に自分の 『幽波紋』
を操る事が出来るようになる 「可能性」 は在る」
「ジザイホーを、スタンドに組み込む、だと?」
想わず口を付いてでた承太郎の言葉に、シャナは無言で頷いてみせる。
「“狩人” がヤってたでしょ?
燐子に自在法を組み込んで思い通りに操ったり爆弾に換えたり。
アレだって元を正せばただの人形よ。
スベテは自在法に拠って生み出される、『この世ならざる存在の事象』 なの。
だからおまえ達はソレを使って燐子や宝具じゃない、
自分の 『幽波紋』 を操るの」
「……」
「……」
押し黙って顔を見合わせる二人の生徒を頭上から見据えながら、
センセイは講義を続ける。
その瞳を、より鋭く研ぎすまして。
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