第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
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つもと色違いの青い学ランだが(公私兼用で何種類かあるらしい)
しかし。
いつもとその風采が最も違うのは、件の黒い洋装の美少女、シャナ。
西洋風の竜 をモチーフにデザインされた、ハードなプリントの入った薄地のニット。
その下は凝った刻印の入った銀鋲が所々に配置された
レザーのハーフ・パンツに黒革の編み上げブーツ。
そして頭には 『STARDUST』 という
これまたハードなロゴの入ったプレート付きのキャップである。
首から垂れ下がったペンダントへ合わせるように、
可憐な細い指には星や鳥、クロス等のレリーフを象 ったリングが幾つか嵌められ、
ベルトラインより下には入念な彫金を施 されたウォレット・チェーンが
2連になって繋がれている。
実は、承太郎の学生服に合わせてその母親であるホリィが
こっそりSPW財団専門のブランド洋品店に注文したモノだったのが、
当然その 「意図」 は承太郎も、着ているシャナすらも気づいていない。
「さぁ! 時間がもったいないし始めるわよ!」
ハードな装いの黒い少女が大きく手を打ち、
3者は予め指定された場所へと移動する。
鳥居の笠木中央部にて、不可思議な紋字と紋章と共に揺らめく深紅の炎。
その周囲で爽涼に戯れる杜の声。
清澄な水の流れる手水舎傍、一対の狛犬が並び銘文の刻まれた石碑の聳える本殿前にて、
小さな師範の講義は始まった。
【2】
「まずおまえ達。像 を出さずに能力を手の平に集めてみて」
年季の入った本殿壇上に飛び乗り、
その視線だけは長身の美男子二人を見下ろすカタチになったセンセイは、
講義の挨拶も指針も何も示さぬまま 「結果」 のみを口にした。
「……」
怪訝な顔をする承太郎とは裏腹に
「いいよ」
と、その隣の花京院は事も無げに言う。
やがて。
胸元の位置で細い指先が艶めかしく折り曲げられた花京院の掌中に、
透き通るようなエメラルドの光が湧き水の如く溢れていく。
煌々と安らかな色彩を称え躰の裡から沁み出ずるその光は、
能力の行使者の精神をそのまま具現化したような清らかさだった。
少々意外そうな顔で自分を見る美貌の青年にその行使者は、
「幻像を出さなくても、“幽波紋光” を操るコトは可能だよ。
無論 「威力」 や 「精度」 は本来のモノより劣るが、
瞬発的に出せるのと必要以上に相手を傷つけない等メリットも多い。
まぁ慣れるまで、少々訓練が必要だけどね」
そう言って自嘲気味に微笑う。
流石に、“生まれついての” 『|幽波紋
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