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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
NEXT STAGE
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に向けていた。
 気流に靡く、瑞々しい果実の香り。
 シンプルだが質の良いミントグリーンのシャツと
腰に密着(フィット)した細身のジーンズ、
その足下は柔らかそうなスウェードの靴で覆われている。
 耳元で揺れている果実をモチーフにしたイヤリングこそ
いつもと変わっていないが、制服ではなく私服なので
普段と受ける印象が大分違う。
 唯一欠点を挙げるとするなら、全くと言っていいほど嫌味がないので
その点が逆にイヤ味だという位だ。
 脇の青年が広い背を少女に向け、爽涼(そうりょう)な美男子の方へと歩み寄る。
 その瞬間、ほんの一瞬に過ぎなかったが、少女がとても残念そうな顔をしたのを
アラストールは見逃さなかった。
「準備、出来たようだぜ。待たせたか? “花京院(かきょういん)” 」
「いいや、彼女一人に任せてしまってすまないと想っているよ。
ボクの “結界” も、「そういう能力」 なら協力出来るんだけれどね」
 青年に“花京院” と呼ばれた中性的な美男子は、
その細い両腕を左右に広げ(なご)やかに返す。
「ウチのジジイの話じゃあ、
『スタンドは一人一体、一能力』 が絶対の 「原則」 らしいからな。
もしオレ達だけなら 「訓練」 する場所を探すのにも一苦労だ。
全くもって “シャナ” 様々だぜ」
 青年はそう言って首だけで振り返り、立てた親指で少女を差す。
「そうだね」
 花京院も柔らかな微笑で、青年に応じる。
「……」
 少女はちょっとだけ頬を朱に染め、そして何故かムッとした表情で
二人の美男子の傍に歩み寄った。
 爽やかな初夏の風が、3者(4者?)の間を吹き抜けていく。
 今日は土曜なので学校は昼上がり。
 3人とも特に予定はなかったので、
シャナの提案で午後は前々からいつかやろうと計画していた
『特別戦闘訓練』 に当てようというコトになったのだ。
 異次元世界の暗殺者。
 紅世の王 “狩人” フリアグネの襲来から、早一月。
 高度な自在法、意志を持つ “燐子” の創成、
多種多様な 「宝具」 とソレをほぼ完璧に駆使する技巧(ワザ)の冴え。
何よりも “フレイムヘイズ狩り(フレイミング・キラー)” として名を馳せた、
その強大なる存在の力。
 紆余曲折在ってなんとか辛うじて討滅出来たものの、
コレからフレイムヘイズとしてより強力な “王” と戦っていくのであれば、
まだまだ戦力(チカラ)が足りないと己が未熟を悔いるのは
その当事者で在る少女だけではなかった。
 いずれ必ず訪れる、 『アノ男』 との決戦の為に。
 とりあえず放課後、各々一度自宅に戻り昼食の後神社に集合。 
 当然3人とも他の生徒達と同じように私服へと着替えてきている。
 最も承太郎だけは、い
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