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第八十八話
第八十八話 追跡開始
そしてすぐに次の日になった。葵が学校から帰ってすぐに家を出ると赤音達もすぐに家を出た。
「行くわよ」
「うん」
「了解」
赤音は学校にいた時のままのジーンズと白いフード付きジャケットに鞄を持って家を出た。フードにはハリーが、鞄にはジップが入っていた。
「ねえ御主人」
ハリーがフードの中から囁く。
「何?」
「気をつけてね。何かあったらこっちでフォローするけれど」
「わかったわ。その時はお願いね」
「うん」
こうして赤音達は家を出た。葵は赤い上着の黒のズボンでありかなり目立つ格好であった。今時と言えばそれまでだが傍目から見てもかなり目立つ格好であった。
「こうして見るとさあ」
赤音は何も知らず一人歩く姉を見て使い魔達に言った。
「お姉ちゃんってプロポーションいいよね」
見れば足はスラリとしていて胸も腰もよく出ている。そしてウエストはよく締まっていた。
「モデルみたい。私なんかとは大違いよね」
「大丈夫だよ、御主人様」
へこみかける彼女をジップが慰めた。
「御主人様葵さんにもよく似てるから。そのうちああなるよ」
「そうかなあ」
「きっとなるって。それに今だって発育いいし」
見ればその通りであった。赤音は歳の割には結構胸があったのだ。そろそろブラが必要な程であった。
「ううん」
だが赤音にはそれがまだ信じられなかった。
「そうなるのかなあ」
「きっとなるよ」
ジップは自信を持って太鼓判を押してくれた。
「そうだね、御主人は絶対綺麗になるよ」
ハリーも言ってきた。
「華奈子さん達もだけれど。五人共将来が楽しみだよね」
「あんた達はその頃になったら尻尾が二本になってたりしてね」
「兎やハムスターの尻尾が二本になってもねえ」
「あまり怖くないかもね」
「うふふ、そうかも」
赤音は次第に明るくなってきていた。
「それじゃあ二本の尻尾で御主人様を見守ろうかな」
「それもいいかもね」
「その頃には私は美人の魔法使いになってるのかな」
「きっとね」
「楽しみにしてるよ」
「そうね。それじゃあ気合を入れ直して」
「行こうか」
「うん」
彼女達はこうしてこっそりと姉の追跡を再開した。暫くつけていると葵が誰かと会っていた。見れば同じ年頃の女の子達であった。服装も似たようなものであった。
「クラスメートかな」
「多分ね」
そして物陰でヒソヒソと囁き合う。見れば葵はその女の子達と一緒に歩いていた。
「行ったわ」
「私達も」
ついて行った。そして彼女達も向かうのであった。
第八十八話 完
2006・2・6
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