第76話
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「なるほど……機関車の右側にあった大きく凹んだ部分ですね。」
するとその時何かに気付いたティオが言った。
「ああ、多分こういう事が起きたんじゃないかと思う。その”何か”は、走行中の列車の機関車の真横に降り立った。運転士さんが上げた叫び声というのは多分、その時のものだろう。”何か”はそのまま併走しながら機関車の右側から体当たりをして……横からのベクトルを加えられた機関車は左側に脱線してしまう。そして”何か”は機関車を左の岩壁に押し続けて……永い傷跡を岩壁に残した挙句にようやく停車させた。そして後続の客車はこんな風にバラバラな形に脱線する事になった。……とりあえずこれが現時点での仮設なんですが。」
「はああっ……!」
ロイドの説明を聞いたレイモンドは感嘆の声を上げ
「……見事だわ。」
「ええ……私達ではそこまで気付けなかったわ。」
ミレイユとルイーネは口元に笑みを浮かべて呟き
「いやはや、推理にかけちゃ兄貴を越えて、ルファディエルと並んだんじゃねえか?」
ドノバンは感心した様子でロイドを見つめ
「確かに……ガイさんはもっと直感で捜査するタイプで、ルファディエルさんは集められた情報と自分の知識を合わせて分析し、捜査するタイプですもんね。」
(フフ………)
グレイスは口元に笑みを浮かべて頷き、ルファディエルは微笑んでいた。
「おいおい、大好評じゃねえか。」
「ふふっ……何だか誇らしいわね。」
「やれやれ、僕もそこまではまとめ切れなかったかな。」
「よくそこまで推理できたな……」
「ふふ、大したものね。―――それでロイド君、そこまでした”何か”というのはやはり魔獣なのかしら?それも最近現れた”幻獣”とか?」
「そうですね……確かに、走行する列車を脱線させることが出来るほどの力の持ち主です。大型の幻獣と考えるのが自然だとは思いますが……」
ソーニャに尋ねられたロイドは考え込んだ後答え
「ですが、幻獣が出現した割には上位属性の気配は感じません……」
「あの”蒼い花”もここらでは咲いてなさそうだよね。」
ティオとワジが説明を続けた。
「確かにそうね………それでは一体、どんな生物が?」
(他に考えられるとしたら”結社”の人形兵器だろうけど……こんな風に直接、動く連中なのか?)
そしてソーニャに尋ねられたロイドが考え込んだその時!
オオオオオォォォォォォォォ――――――――――――ッ!!
何かの叫び声が聞こえてきた!
「い、今のは……!?」
「ま、魔獣の吠え声……!?」
声を聞いたミレイユとレイモンドは驚き
「そ、それにしては不気味すぎる感じが……」
「それに叫び声のよう
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