第72話
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る思いですよ。」
「そうですか……」
「フフ、さぞかし凄い舞台になりそうだねぇ。」
青年の話を聞いたロイドは頷き、ワジは口元に笑みを浮かべた。
「おっと、こうしちゃいられない。早く帰ってセットしないと……――――皆さん、私はこれで!また劇場にいらしてください。」
「はい、それでは。」
「どうかお気をつけて。」
そして青年は運搬車に乗り込み、運転してロイド達から去って行った。
「しかしアルカンシェルの舞台装置を手掛けてるってのは聞いていたが……ああいう所を見ちまうと怪しげな結社に関係している工房とは思えなくなるな。」
「そうね……」
「それに結社の敵であるはずのレンさんのパテル=マテルに何の細工もせずに、直したという事ですし……一体何を考えてそんな事をしたんでしょう?」
青年が去るとランディは真剣な表情で呟き、ランディの言葉にエリィは頷き、ティオは考え込んでいた。
「……とりあえず留守じゃなくて助かった。”結社”の動きについて話をしてもらえるかどうか……とにかく聞くだけ聞いてみよう。」
「はい……!」
「フフ……虎穴に入らずんばって所かな?」
(………リウイ陛下達に報告できるような何かいい話が聞けるといいのだが………)
ロイドの提案にノエルとワジは頷き、リィンは真剣な表情で屋敷を見つめていた。そしてロイドは扉に付いていた鉄製のノッカーを鳴らした。
「―――すみません!クロスベル警察、特務支援課の者です!マイスター・ローゼンベルク!いらっしゃいますか!?」
ロイドが屋敷を見つめて大声を出すと
「……そう大声を上げずとも聞こえておる。」
ヨルグの声が聞こえてきた。
「どうやら聞きたい事があって訪ねてきたようだな。あまり時間は取れぬが……少しの間であれば話を聞いてやらんでもない。」
すると目の前に扉は開き、さらにロイド達の目の前に小さな侍女の姿をした機械人形が現れた。
「え……」
「か、可愛いっ……!」
「ローゼンベルクドール……!?」
「……自動人形のようですが……」
人形を見たロイドは呆け、ノエルは嬉しそうな表情をし、エリィは驚き、ティオは人形を見つめていた。
「その子に案内させるから中に入ってくるがいい。くれぐれも余計な場所に入るでないぞ?」
ヨルグの忠告を聞いたロイド達は黙り込み
「………………………」
人形も黙り込んでいた。
「さ、さすがに喋れないみたいだな……?」
その様子を見たロイドは苦笑し
「しっかしまあ機械仕掛けとは思えねぇぜ。」
「ああ……半機械人間であるシェラ様でさえ、人間を元として作られているという話なのに……」
ランディは溜息を
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