四話:勉強会
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のような宝具を扱いかの王が戦っているなど。
誰も知ることはない。
「でも、確かに印象に残りますね」
「ええ、ぐだ男君はある意味で達人ですね」
『いや、上には上がいるよ』
ブリュンヒルデと天草の言葉に首を振るぐだ男。
そう、彼の身近にはさらに上がいるのである。
『俺の知り合いに武器を見ただけでどんな人物がどんな風に武器を使ったとかわかる人がいる』
「それは……もはや手品に近い気が」
「おい、そろそろ始めるぞ。時間は限られているからな」
ぐだ男が日頃世話になっている人物の話をすると若干引かれる。
しかし、エドモンの言葉でそれ以上追及されることなく終わるのだった。
『そうだね』
「では、みなさん頑張りましょう」
マリーの言葉を最後にそれからは全員が静かに机に座る。
紙に書いて暗記する者や、問題集を解く者のペンが走る。
しかし、黙っていては集まった意味がない。
「ちょっと、ぐだ男。聞きたいことがあるんだけど」
『なに?』
「このイブンなんとかって奴ら、三人も居て憶えづらいんだけど何とかならないかしら?」
『それ、ジャンヌ達にも言えるんじゃ……』
「うるさいわね! いいから何とか覚えやすい方法教えなさいよ!」
イブン=ルシュド、イブン=バットゥータ、イブン=ハルドゥーン。
いずれもイスラーム文化を語るには欠かせない偉人だが名前が同じため憶えづらい。
なのでジャンヌ・オルタの言うことはもっともである。
しかしながら、彼女自身姉と同じ名前であるためぐだ男にツッコミを入れられる。
『じゃあ、キャラ付けでもしてみたら? 年代順に並べて三兄弟にして』
「イブン三兄弟? 例えばどんなのよ」
真面目なのか、ふざけているのか分からない対応にぐだ男に詰め寄るジャンヌ・オルタ。
そのせいで彼女の顔がすぐ傍にきてドギマギとするが彼はすぐに口を開く。
『長男のルシュドは哲学者。次男のバットゥータは旅人。三男のハルドゥーンは歴史家とか』
「フン、そんなのじゃキャラ付けが薄くて覚えられないわよ」
『じゃ、じゃあ、どんなキャラ付けなら覚えられそう?』
まるでダメダメな生徒でも見るように息を吐くジャンヌ・オルタ。
普通であればムッとするかもしれない。
だが、ぐだ男は首筋にかかる彼女の吐息の感触でそれどころではなかったので何とも情けない声で問い返す。
「そうね。私なら―――
いつも窓辺で思想に耽っていて近寄りがたいけど実は優しい系先輩ルシュド。
普段は無口だけど趣味の旅行の話になると夢中で語りはじめる系同級生バットゥータ。
いつも明るくて子供みたいに大好きな歴史の話をしてくる無邪気系後輩のハルドゥーン。
……こんなところか
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