第18話
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「―――お初にお目にかかります。リィンの妹、エリゼと申します。お帰りのところ恐縮ですが……少々、兄を借りてよろしいでしょうか?」
その後リィンとエリスは屋上に移動して二人っきりになった。
〜屋上〜
「ふう……それにしても久しぶりだな。実際に会うのは半年ぶり……いや、7ヶ月ぶりになるか。」
「……ええ。去年の暮れ、私がユミルに帰って顔を合わせた時以来になりますね。春、兄様がこちらに入学してから会える機会はあったはずなのに。」
「いや……その、悪かったと思ってるよ。とにかく忙しくて……それに女学院の外出許可なんて簡単には取れないんだろう?」
静かな怒りを纏って微妙に自分を責めているエリゼの言葉を聞いたリィンは申し訳なさそうな表情でエリゼを見つめた。
「それとこれとは話が別です。トリスタから帝都まで鉄道を使えば30分ほど……中央駅から女学院のある地区まで導力トラムを使えば20分程度……妹の顔を見るのにその程度の時間すら割けないほどお忙しかったという事ですね。」
「―――悪かった!それに関しては本当にすまない!実習や試験で忙しかったのは確かだけど……その気になれば会う時間くらいは作れたはずだし。でも……」
ジト目で指摘してきたエリゼの正論に対して反論できなかったリィンは頭を下げた後申し訳なさそうな表情でエリゼを見つめて口ごもった。
「でも、何ですか?」
「いや、その…………年末会った時によそよそしかった気がしたからさ。男兄弟がうっとうしくなったのかとつい遠慮したというか……」
「よ、よそよそしくなんてしてません!あれはその、ちょっと個人的な事情があったというか……」
リィンの言い訳を聞いたエリゼは頬を赤らめて否定して口ごもった。
「個人的な事情?」
「と、とにかく!私が兄様をうっとうしいと思うなんてありえませんから!ええもう、女神に誓って天地がひっくり返ってもないです!」
「そ、そっか……なら嬉しいけど。今後は、時間を作って帝都にエリゼの顔を見に行くよ。今回みたいにそっちが遊びに来てくれてもいいんだし。」
「ほ、本当ですかっ!?―――コホン。ええ、そのくらい兄様としては当たり前の交流ではないかと。」
リィンがいつか自分から会いに来る話や士官学院に遊びに来ていい話を聞いたエリゼは嬉しそうな表情をした後気を取り直して答えた。
「はは、そうだな。そういえば、それを言いにわざわざこんな時間に来たのか?それにしては問答無用というか有無を言わせない感じだったけど。」
「兄妹の交流の少なさももちろん大問題ですが……私が今日訪ねた主な理由はとうぜん別にあります。」
「え。」
自分の説明を聞いて呆けているリィンにエリ
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