第六章
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生楽しむんだよ」
「プロコヴィッツさんみたいに」
「そうなっていきますね」
「そう、僕も先生に教わってからだったからね」
ここでシュツルムのことも思い出したのだった。
「学生時代の先生ももう九十だけれど」
「ワーグナーがお好きですか」
「その方も」
「そう、今度先生にトリスタンの新しい演奏のCDを持って行こうかな」
トリスタンとイゾルデ、ワーグナーの代表作の一つだ。無限旋律で有名であり官能的な愛と死の世界を描いた作品だ。
「そして二人で聴こうか」
「じゃあ私達も」
「そのCDを聴きますね」
若い劇場のスタッフ達も応える、彼等もまたワーグナーの世界に入っていた。入ってしまえば出ることの出来ないその世界に。
ワーグナーの魔力 完
2016・2・20
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