第二章
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「それじゃあね」
「そう、じゃあ今は」
「宿題をしてね」
「それでよね」
「それから遊ぶのよ」
まずは宿題をしてからというのです。
「明日の時間割や予習復習もしてね」
「ちゃんとお勉強をして遊ぶ」
「そうしたらね」
それでというのです。
「晩御飯も美味しくなるから」
「だからなのね」
「そう、まずは宿題と予習復習をして」
そしてというのです。
「時間割もしてね」
「それで遊ぶのね」
「いつも通りね」
「私もそうするわ」
「それじゃあね」
こうしてでした、綾香はお母さんの言った通りにです、すぐにです。
自分のお部屋で宿題と予習復習をしてです、ちゃんとピンクのランドセルに明日の教科書とノート、持って行くものを入れてでした。
そのうえで遊びに行ってです、五時にはお家に帰って漫画や本を読みました。
そして七時になるとです、お母さんが行ってきました。
「御飯よ」
「うん」
綾香はお母さんの言葉に笑顔で応えました。
そして晩御飯のテーブルのところに来ました、お父さんはまだお仕事から帰っていません。
それでお母さんの前の自分の席に座るとです、その前にあったのは。
薄いお肉と玉葱、マッシュルームがたっぷり入った濃い赤がかった茶色のルーがかけられた白い御飯がカレーのお皿の上にありました。
カレーライスに似ています、ですが明らかに違っていて。
綾香は目を瞬かせてです、お母さんに尋ねました。
「カレーライスじゃないわよね」
「ハヤシライスよ」
「何それ」
「そうした食べものもあるの」
これがお母さんの返事でした。
「カレーライスとは別にね」
「そうなの」
「ええ、綾香ちゃんははじめて見るわよね」
「うん、カレーライスは知ってるけれど」
大好物であるだけにです。
「けれどね」
「ハヤシライスははじめてね」
「うん、本当にね」
「そうよね、お母さんも久しぶりに作ったわ」
「そうなの」
「絢香ちゃんが子供の時にね」
「私食べてないよ」
絢香はこうお母さんに答えました。
「ハヤシライスは」
「絢香ちゃんが赤ちゃんでね」
「まだ食べられなかったの」
「お父さんとお母さんで食べたの」
その時はというのです。
「そうしたの」
「そうだったの」
「それでずっと作ってなかったの」
「どうしてなの?」
「だって絢香ちゃんカレーライスが大好きでしょ」
本当にいつも食べていても平気な位大好きです。
「だからなの」
「カレーライスばかりになったの」
「そうよ、もっとも結婚するまでもカレーライスの方をよく作ってたわね」
お母さんは絢香にくすりと笑ってこうもお話しました。
「お父さんもカレーライス好きだしね」
「うん、そうよね」
絢香はお
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