第24話『競争』
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を楽しんでいる大地。
こちとらいつコケるかヒヤヒヤしてるっていうのに…。
「ん?」
俺は次なる障害ポイントを見つけた。
「今度は網潜りか…」
「は? 何だそれ?」
大地が一人で納得している中、『網潜り』という競技を知らない俺は大地に訊いた。
「これもその名の通り、今目の前にある網を潜って進む競技だ」
そう言われてイメージしてみると、自衛隊の人たちとかがやってる様な感じがした。
今目の前には緑色の、面積は教室の大きさくらいのネットがあった。グラウンドの端に張り巡らされているアレだ。
…待てよ。この中を二人三脚のままで潜れってか!? 無茶ぶりだろ!!
「大地、さっきみたいに何か攻略法ないのか?」
「さすがにねぇな。この競技は“網を潜る”ってのが本質だからな」
「そんな…」
大地に策を練って貰おうとするも、それは叶わなかった。
ふと後ろを見ると、他クラスの3ペアがパンを片手にこちらに走ってきていた。やっぱパクられるわな。
…あーもう!行くしかねぇ!!
「行くぞ大地!」
「おう!」
*
『1位は赤団です』
「「はあはあ」」
何とか競技をやり終え、肩で息をする俺ら。
まさか最後の障害に、ロッククライムをするとは思わなかった。
ほとんど大地に引っ張られてる感じだったけど、一応ついていけたし、俺にしては良かったと思う。
まぁ他の3ペアがリタイアしたから、必然的に1位って結果になってるんだけど…。
『次は“各学年代表キャタピラレースリレー”です』
ロッククライムを登った結果校舎の屋上にいる俺は、その放送を聞いて心配な気分になる。
だって次のキャタピラレースとかいうやつ・・・
俺のクラス代表は、スタートラインで世界の終わりを迎えたかのような顔をしている、柊君だもん…。
「おぉこれはよく見えるぜ」
屋上からグラウンドを見渡しながら呟く大地。
だが俺は観戦を素直にできる気持ちにはならなかった。
キャタピラレースって段ボールの中に入ってコロコロやる競技だろ? 柊君の正体がバレる可能性が高い。
じゃあ何でそんな競技出てるんだって言われたら、それには込み入った事情があるからとしか答えられないのだが、とにかく彼にとってはマズい状況だ。
「大丈夫かな柊君…」
*
どうしてこうなった。
何で僕がこんな目立つような競技に出場しなきゃならないんだ。
皆は僕のことをどう思っているんだろうか…。
──昨日
「えっと、キャタピラレースに出場する人についてですが…何か推薦等ありますか?」
「はーい。柊君が良いと思
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