第24話『競争』
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、合わせるのは一苦労だ。だがそこは何とか食らいついていく。
最初の障害物は・・・?
「パン?」
「パンだな」
俺らの前に最初に姿を見せたのは、紐でぶら下がっている4つのパン。つまりは『パン食い競走』の風景だった。
それを見た4ペアはたまらず立ち止まる。
パン食い競走自体は…まぁそれなりに難しいけど、あれは一人用の競技だから何とかなる。
でも今回はこんな不自由な状態の中。ジャンプすることさえままならないだろう。
「おい大地どうするよ?」
俺は大地に意見を求めた。
同時に飛ぶにしてもタイミングが重要だ。ここは一度作戦会議をしなくては。
だが、大地から放たれた言葉は見当外れなものだった。
「なぁ晴登。お前この競技のルール覚えてるか?」
「は? パン食い競走の?」
俺は訝げに大地を見る。
コイツともあろう奴が、まさかパン食い競走のルールを知らないんじゃあるまいな?
「バカ、そっちじゃない。この障害物競走についてだ」
「あぁそっちか。えっと・・・
“二人三脚で障害物を乗り越えてゴールを目指すこと”
“途中で足に結んでいたハチマキ(紐)が取れた場合は、その場で結び直すこと”
“障害物において、それぞれの定義を達成しない限り、突破とは認めない。無視した場合は即失格”
こんなもんだったかな?」
大地はそれを聞き、何かを考えたかと思うと俺に耳打ちしてきた。
そしてそれを聞いた俺は騒然とする。
「それはさすがに・・・!?」
「大丈夫だ、行くぞ!」
俺らは足を揃えて再び走り出した。
紐に吊られてユラユラと空中を舞うパン相手に奮闘していた3ペア。
その間にスッと入った俺らは、互いに頷き、パンを見上げた。
そして大地は──
──それを手で掴んだ。
「「「はぁ!!?」」」
隣からそんな声が聞こえる中、大地は何事も無かったかのようにパンをモグモグと食べ終えた。
これが、さっきコイツが言った作戦『パン食い競走の定義は“パンを食って走る”だろ?』だったのだ。
パン食い競走は本来、口だけを使って行うもの。しかし今回のルールは“定義を達成すればよい”。つまりは、パンさえ食べればここの障害は突破したことになるのだ。
わざわざこんな表現にされていたのは、こういう攻略法があるからなのだろう。
そしてその作戦は成功と言うべきか、審判は何も言ってこなかった。
「お先〜!」
二人三脚だと言うのにかなりの速さで走る大地。確かにここはリードを広げるチャンスだが、少しは俺のことも気にしてくれ。
『赤団がトップです』
「次は何だ〜?」
もはやこの競技
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