第24話『競争』
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黄団の力が一方的に俺らに作用したのだ。
「「「おぉぉおぉ!!」」」
引っ張られながらも懸命に声を上げて自らに喝を入れる。が、しかし、黄団の力が弱まることはなかった。
『そこまで。勝者、黄団!』
それを聞いた俺らはガクリと肩を落とす。
初めて負けた。
たかが一回の負けが、ここまで心に響くなんて…。
でも考えたら当たり前だ。言うなら、俺らが今まで勝ってたのは必然ではなく偶然だった。だから、負けることだってもちろんある。
負けて悔しいのは当然。だけどそれを引き摺らないのが一番賢いかもしれない。
「まだまだこれから・・・!」
空を見上げ、笑顔を溢す俺。
今朝の空と同じように、空は蒼く澄み渡っていた。
気持ち切り替えて行くか!!
*
『次は1年男子代表の“二人三脚障害物競走”です』
「行くぞ晴登」
「あ、あぁ…」
午前の競技が終わりに近づいていく中、「混ぜちゃいました♪」と言わんばかりのおかしなネーミングの競技が始まろうとしていた。
その名の通り、二人三脚をしながら障害物競走をするということだ。
「大体何で俺が…」
こう俺が嘆いてしまうのは無理もないだろう。
この競技は時間の都合上、各団1年の代表1組で行うものなのだが、なぜか俺は運動神経抜群の大地と組んでしまっているのだ。
さらにに『代表』という言葉が俺の首を絞める。
今までそんなものを経験したことがない俺にとっては、“クラスを背負って戦う義務感”にとても耐えられそうになかった。
ちなみにどうして俺かというのは、単純に大地と仲が良いからとのことだそうだ…。安直すぎない?
「なに緊張してんだ?」
「べべ、別にしてねぇし!」
嘘だ。足なんかガクガクである。
こんな姿を人前に晒すのは、恥ずかしい以外の何の感情も湧かなかった。誰もこっち見ないで…。
『位置について』
そう思っていても未来が変わる訳もなく、競技開始まで刻々と迫っていた。
仕方ないと腹を括った俺は、大地の左足と自分の右足をハチマキで結ぶ。
「全部乗り越えようぜ!」
「あ、あぁ!」
大地の問い掛けに答える俺。だが自信はない。
なぜなら、練習は二人三脚の分しかしておらず、そもそも障害の説明は一切されなかった。それに仕切りがされているせいで、今もその正体はわからない。ぶっつけ本番ということだろう。
でも、やるっきゃない!と俺は吹っ切った。
『よーい・・・ドン!』
「いくぞ!」
「おぉっ!」
俺と大地は打ち合わせ通り足を踏み出し、前へと走り始める。ただやはり大地のペースは少し早いので
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