第24話『競争』
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のだ・・・
「アンタら準備は良いね?!!」
「「「おう!!!」」」
「お前ら、絶対勝つぞ!!」
「「「しゃあ!!!」」」
どうやら決勝で戦うのは黄団のようだ。
そして今気付いたのだが、なんと黄団の団長は部長だったのだ。
今は副部長もだが、盛大な掛け声で見方を鼓舞している。
「まさかこんな形で戦えるとはな!」
「絶対負けないけど!」
「じゃあ負けたら何でも1つ言うこと聞くってことで」
「随分な余裕じゃない……負けないけど!!」
何やら話しているようだが、この位置ではよく聞こえなかった。また喧嘩してるのかな?
『よーい』
…と思ったけど、合図で一瞬で静かになったところを見るに、きっと喧嘩はしていないだろう。
にしても、部長と争う形になるのは今回が初めてかな。魔術が関わらないのが少し残念だが、まぁ別に良いか。
さて、さっきと同じような体勢になってと。
『始め!!』
「「「うおぉぉぉ!!!」」」
よし、後は一気に引っ張るだけ・・・
「…あれ?」
だが、俺らは上手く縄を引っ張ることができなかった。
赤団全員が全員、動作を止めたのだ。
やられるがままに黄団に縄を引かれ始める。
「ふっ」
この感じ…何か痺れる…。何でだ? 手に力が入らない。
まるで麻痺してる・・・ってことはまさか?!
「部長か?!」
俺は、赤団を急激に弱らせたこの現象の元凶であろう人物の名を叫ぶ。
クソ、油断してた。部長の電流は地面に流せるほどなんだ。綱一本なんて造作もないだろう。おかげでこちらの団は全員痺れさせられた。
まさかこんな使い方をするなんて…! これじゃあ負ける…!
「「「熱っ!!?」」」
しかし今度は敵陣からそんな悲痛な叫び声が聞こえた。
すると、縄の引きがピタッと止まった。
“熱い”。間違いない、副部長だ。
もうどういう理屈かわからないけど、恐らく副部長は綱に熱を伝導させたのだろう。てか、綱が熱いってどういう状況?
大体、綱って金属じゃないんだから、そんな電流とか熱とかポンポン流さないでくださいよ。ホント魔術って不思議…。
「あんたって奴は!!」
「勝てばいいんだよ、勝てば!!」
すると数秒後、ようやく本気の綱引きが開始する。
もう部長らは魔術を使わなくなったのか、何も異変は起きなくなった。
「ぬぬぬ…!!!」
微量ながらも団に貢献しようとする俺。
精一杯の力で縄を引く。
ザザ…ザザ…
だが、どんどんと引き摺られていくのは…赤団。
二つの団の力はつり合うことなく、
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