外伝〜不審商人の調査〜後篇
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噂には聞いた事がありますが、とても気持ちが良く、お客様の事を大切に考えている人達なのですね……フム………今の話を聞いて今後、彼らとも取引きを始めようかと思いました。」
「……信用のできる人達なので、良い判断かと。」
ハロルドは驚きの表情で呟いた後口元に笑みを浮かべて答え、ハロルドの答えを聞いたティオは静かな笑みを浮かべて言った。
「………………………」
一方デリックは辛そうな表情で黙り込んでいた。
「デリック君?」
デリックの様子を見たハロルドは不思議そうな表情をした。
「……みなさんには、本当に迷惑をかけてしまった。俺が詐欺なんかに引っかかったばかりに、ここまでの事態に……」
「そんな……あなたのせいでは……」
「いや……全ては俺の責任だ。改革、改革と躍起になって、親父に対して意地を張って……結果このざまだ。俺には次期村長の資格なんてないだろう。」
「……そんなことはあるまい。」
「親父……?」
村長の言葉を聞いたデリックは不思議そうな表情をして村長を見つめた。
「わしも保守的な考えばかりに固執して、お前の話を聞こうともしなかった。このままでは村はダメになってしまうと知りつつ、何もしようとはしなかった。今回の件に関してはわしの責任も大きいじゃろう。」
「村長……」
村長の話を聞いたハロルドは静かな表情で村長を見つめた。
「わしは今回の件を通してつくづく思ったのじゃ。村を守る為には一個人の考えに固執してはならんとな。デリック……これからは是非、お前の知恵も貸して欲しい。互いに案を出し合って、村人全員で話し合って……このアルモリカという村を守っていこうじゃないか。」
「……ああ、そうだな。すまなかった親父……俺も、これまで以上に村のことを考えて生きて行くことにするよ。」
「ふふ……和解できたみたいでよかったですね。」
「はは、そうだな。」
和解した村長とデリックを見たエリィは微笑み、ランディは笑顔で言い
「ま、こういうオチなら詐欺にかかったのも悪くなかったんじゃない?」
ワジは静かな笑みを浮かべて言い、その場にいる全員を脱力させた。
「ワ、ワジ君……」
「ふむ、物は言いようですね……」
「まあ、結果的に良い方向に進んでいるしな……」
ノエルは呆れ、ティオが呟いた言葉にリィンは苦笑しながら頷き
「い、いやいや、さすがに不謹慎だから。」
ロイドは疲れた表情で指摘した。
「と、とにかく……あんたたちには本当にお世話になってしまったな。重ねて礼を言わせて欲しい。イアン先生にも、改めてお礼を言わねばなるまいて。」
「先生には僕のほうから顛末をお伝えしておきますね。」
「私も、事件の解決に
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