外伝〜不審商人の調査〜中篇(後半)
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ゃいますが……それは確かなことでしょうか?」
「待て……どういうことなんだ?ミンネスさんは『クインシー社』の人間じゃないというのか?」
「ええ、俺達はそう睨んでいます。」
「クク……ハハハ!何をおっしゃるかと思えば……何なら、名刺や社員証でもお見せいたしましょうか?」
ロイドの言葉を聞いたミンネスは笑った後勝ち誇った笑みでロイドを見つめて尋ねた。
「……そんなものは知識があればいくらでも偽造できるかと。」
「俺達は、その物証を覆す証拠を調べてきました。それは……ほかでもない、クインシー社のパンフレットです。」
「クインシー社のパンフレット……」
「お嬢の部屋にあったやつか……」
「確か、捜査手帳に要点をメモしていたのよね。」
「本社から取り寄せられたものなので、書かれている情報の信頼性は保証されていると言えます。そしてその資料に書かれていたこと……それが、ミンネスさんの昨日の話を明らかに矛盾しているんです。」
「わ、私の話ですと……?」
ロイドの話を聞いたミンネスは戸惑った。
「昨日のミンネスさんの話が”役員”の肩書きと矛盾している点、それは……――――ミンネスさん。昨日、あなたはこう言いました。”役員の立場にはいるが実は甘い物は苦手だ”……この言葉に間違いはありませんか?」
そしてロイドの質問を聞いたその場にいた全員は黙り込んだ後眉を顰めた。
「ロ、ロイド……?えっと、よく意味が……」
エリィは戸惑った様子でロイドを見つめ
「……確かに、私は甘い物が苦手です。フフ、しかしそれが一体どうしたというのですか?”甘い物が苦手な人間が製菓会社の役員なわけがない”……とでも言うつもりですかな?」
ミンネスは答えた後口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「その通りです。」
「な、なんて言いがかりだ……!あんた、警察として恥ずかしくは―――」
ロイドの答えを聞いたデリックは怒りの表情でロイドを睨んで何かを言いかけたが
「―――クインシー社のパンフレットには、こう書かれていました。『クインシー社では、役員自らが開発中の商品を試食し、販売していいかは厳正に審査する』………かいつまんで言えば、そういう内容です。」
「それが一体どういう…………………あっ!?」
ロイドの説明を聞いて呆けた後ある事に気付いて大声を上げ
「…………………!!」
ミンネスは表情を歪めた。
「……クインシー社という会社が『甘い物が苦手』なミンネスさんを、役員にするのは不自然だ。……違いますか?」
「……そっ、それは……単なる記憶違いで……」
ロイドに尋ねられたミンネスは焦りの様子を見せながら答えかけたが
「それは通用しません。
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