外伝〜不審商人の調査〜中篇(後半)
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していないはずなんです。」
「……!」
ロイドの話を聞いたミンネスは目を見開き
「IBC……?ど、どういうことなんだ?」
デリックは戸惑っていた。
「考えてみてください。『クインシー社』が先程の計画を進めるつもりなら……子会社の設立や工場の建造などには、IBCの融資が必要になります。」
「……ええ、もちろんですとも。そのために市に会社の発足を届け出、きちんとした法人向けの口座を用意して……」
ロイドの説明を聞いたミンネスは答えかけたが
「―――用意しした”だけ”。そうではないですか?」
「!……………」
ロイドの質問を聞いて黙り込んだ。
「『ハニーカンパニー』の口座には、開設に必要な最低限のミラしか入ってなかったようです。詳しい金額はわかりませんが、入金されていたのは数万ミラ程度……果たして、そのようなミラで工場の建設などが可能なのでしょうか……?」
「……IBCの口座に調査の手を入れているとはね……」
ロイドの推理を聞いたミンネスは呟き
「ミ、ミンネスさん……まさか……!?」
デリックは信じられない表情でミンネスを見つめた。
「ああ、誤解しないでください。別に彼らの言い分を認めたわけではありませんよ。ただ、あまりにも不躾だと思ってしまっただけです。」
「で、でも……実際、口座にミラはほとんど入ってないんですよ!?」
「なに、会社の役員として少々慎重に動かざるを得なかったというだけですよ。何しろ由緒正しい『クインシー社』の名で融資を受けるわけですから……無論、本社の許可が下り次第IBCには融資の相談に行こうと思っていましたがね。」
「ほっ……で、ですよね……」
ノエルの質問に答えたミンネスの話を聞いたデリックは安堵の溜息を吐き
(……上手くかわされましたね。)
(……さすがは詐欺師か。このぐらいは予想済みって事か。)
ティオとリィンは静かな表情で呟き
(いや……ミンネスも内心かなりあせっているはずだ。ここは畳みかけるように証拠を突きつける……!)
ロイドは静かな表情で答えた後ミンネスを睨みつけた。
「……その顔は、まだ何か聞きたいことがおありのようですね。」
「ええ、もちろんです。なにせ、ミンネスさんの疑惑はそれだけではないのですから。」
「この期に及んでまだ……!」
ミンネスの言葉に答えたロイドをデリックは怒りの表情で睨み
「いえいえ、いいのですよ。その方がデリックさんにとっても安心できるでしょうしね。」
ミンネスはデリックを宥めていた。
「……聞きたいのは……ミンネスさんのプロフィールについてです。ミンネスさん、あなたは『クインシー社』の役員を名乗ってらっし
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