外伝〜不審商人の調査〜前篇
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(……エレボニアの男爵家………一体どこだ……?)
イアンの話を聞いたロイドは驚き、ワジは口元に笑みを浮かべ、リィンは考え込んでいた。
「―――男爵はその儲け話に快諾し、リドナ―が持ってきた契約書にサインをした。そして、管理の名目で麦畑全域がそして工場建造の名目で一部の土地がリドナ―に一時、譲渡された。また、会社の資本金として男爵家の資産の一部が回され、起業の準備は着々と整っていった……だが……リドナ―は、土地の権利書と資産の一部、それらを持ったまま姿をくらました。」
「なっ……!?」
「まさか……!」
(………なるほど。やはり、その手口ね。)
イアンの説明を聞いていたランディは驚き、リィンは厳しい表情をし、ルファディエルは静かな表情になっていた。
「突然リドナ―との連絡が途絶え、男爵家の者達は焦ったらしいが……そのとき重大な事態が進行している事に気付いていなかった。あろうことか、リドナ―は預かり受けた土地の権利書を第三者に売り渡してしまっていたのだ。高級別荘地に最適な土地としてな。――――結局、男爵家には莫大な借金だけが残ってしまい……程なく領地全てを手放す羽目になる。領地を失ったことで爵位も剥奪され……以後、彼らは行方知らずとなってしまった……」
「なんっつう……とんでもねえ話だよ。」
「勝手に他人の土地を売り払うなんて……いくらなんでもひどすぎます!」
話を聞き続けたランディは溜息を吐き、ノエルは怒りの表情になった。
「……イアン先生。その男爵家の名前とかはわかりますでしょうか?」
「ちょっと待ってくれ………ああ、思い出した。確か”カプア”家だ。」
リィンに尋ねられたイアンは考え込んだ後言い
「え………”カプア”、ですか?」
イアンの言葉を聞いたティオは驚いた。
「ティオちゃん?」
「もしかして知っているのか?その男爵家の人達の事を。」
ティオの様子を見たエリィは不思議そうな表情をし、ロイドは尋ねた。
「え、ええ、その男爵家の人かどうか知りませんが”影の国”で共に戦った人達の中にいたんです。”ジョゼット・カプア”というロイドさんやエリィさん、リィンさんと同年代くらいのエレボニア帝国出身で、兄妹で”カプア特急便”という運送会社を経営している女性の方が。確か、今日の支援要請にその運送会社から来ていたはずです。」
「あ、ああ。そういえばあったな。『誤配荷物の再配達』の依頼が。」
「確かセティちゃん達が受けている依頼だったわよね?」
ティオに促されたロイドは頷き、エリィは戸惑いの表情で言い
「……エレボニア帝国出身に名前は”カプア”……その元男爵家の関係者じゃないのかい?」
「さあ……?私はジョゼットさんとはあまり
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