ー決闘の後にはー
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と思っていたので驚くが追求するようなことはせず彼女の言葉を待った。
「いやだってほら。 婚約するとさ、見られたくないものとかも知られちゃうわけじゃん」
この世界で結婚すれば、所持金はもちろんのことアイテム・ストレージまでも共有化され、ストレージ内に隠しておきたい秘密が詳らかにされてしまう。だが、彼女の場合は違うらしく、軽く笑うとちゃうちゃうと手を横に振った。
「ほら、私って色々作ってそれを時々売ってるのね。 で、その作品をこいつにバレるとマズい。 すごくマズイ。 具体的に言うと絶対にボッシュートされる」
「あぁ、なるほど」
なんとなく納得してしまい、アスナは同情した。 もちろんユーリに対してだ。 おそらく今日自分が着せられたメイド服やそれに準ずるものを作ろうとしてるとわかれば、被害が被らないように積極的に阻止しにいくだろう。 というよりむしろ、自分やキリト君のように第二、第三の被害者を出さないようにするために結婚してでもシィちゃんの作品とやらを監視してもらいたいと切に思った。
「あれ?……ふふっ」
そうこうしているうちにシィちゃんがうつらうつらと眠そうに体を揺らし始めた。 ユーリ君の眠気に誘われたのかしら、と微笑を浮かべているとコテンと彼の隣に横になったシィちゃん。 いつにも増してはしゃぎ過ぎたのだろう。 彼らの安らかな寝顔を見ると暫く寝かせておいてあげようと気を利かせ、毛布を取り出すと二人に被せてやる。
「さて、私はもう帰ろうかな」
アスナは胸にほっこりとした温かさを感じつつ、静かに部屋を後にした。
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