【暗黒の剣士】──因果率崩壊Lv:X
笑う棺桶(1)
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
滅したり、外から侵入しようとしたオレンジプレイヤーを撃退したりする、プレイヤーたちの守護者。
しかし、アインクラッド第九十五層において、『聖騎士の堕天』『裏切りの騎士事件』などと呼ばれる、聖騎士ヒースクリフが、ゲームデザイナー件ゲームマスター、即ちはSAOをデスゲームに仕立て上げた本人であると暴露し、第百層へと姿を消す、その事件を境に、アンチクリミナル・コードは消滅した。つまり、この第九十九層にあって、アンチクリミナル・ガーディアンは、もはやこの世界には存在しないはずなのだ。街の中で戦闘が起こっていることでも分かる。
余りに奇妙。余りに奇怪。ありえない光景に、ジンが硬直していると──彼の左目が、ずきり、と痛んだ。
「うっ……!?」
その感覚には、覚えがあり、そして無い。良く似た感覚は、かつて体感した。
そう、たしかそれは、己と同じ読みの名を持つ、月の瞳を持った刀使いから手に入れた、すべてを見通すユニークスキル──
「……《千里眼》……!?」
ジンの左目が黄金に輝くのを見たものは居ない。
彼の脳裏には、目の前で争う黒の戦士と白の戦士たちのステータスが全て映り込んできていた。
「アンチプレイヤブル・ガーディアン、Lv300……!? なんだこの聞いたことないスキルは……《粛清剣》……? ソードスキル《ギロティック・スラッシュ》……? マスターは、《暗黒の剣士》……カーディナルじゃない……!?」
元々相手のステータスを奪って生きてきたジンだ。未知のスキルには興味がある。だが、それすらも追い越して、ただただ、驚愕。
それを助長するのは、もう一つ。映り込んできた、白の戦士のステータスだ。
なんとなく見覚えのある、銀色の鎧を纏ったランス使いの彼のステータス、は──
「シュミット……あの馬上槍部か……? Lv240……全然届いてねぇ……ステータスは筋力値寄り……相変わらずの防御極振り装備だな…………ん? 所属ギルド……《笑う棺桶》……」
笑う、棺桶?
「馬鹿な!?」
──なんだこれ。原作崩壊なんてレベルじゃねぇぞ……!?
それは、根本的な改変だ。世界が、螺曲がる。
そういうことか、と。
あの癖毛のバケモノが言っていたのは、こういうことか、と。
「ラフコフが『正義の味方』だと……?」
これでは、『原典』など、成立するわけもない。
恐らく原因は、あの黒い塔だ。そう、ジンが悟ったのと同時に。
「……!」
背後に、殺気。《千里眼》が《策敵》の代わりとなって、その存在を教えてくれる。
ポップしたのは、漆黒の鎧に身を纏った騎士。大降りのブロードソードを構えて、こちらに狙いをつけてくる。
「ア
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ