SIDE:A
第六話
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には一体何が映っているのか、遠い過去を振り返っているのか、俺程度ではその胸中を察することはできなかった。
「……さて。汐音、手裏剣とか取ってきな。兄ちゃんがいつも使ってる場所で練習するから」
「わかった!」
しんみりした空気を入れ替えるように手裏剣やクナイを取ってくるように指示を出す。
マイ手裏剣とクナイなどを持って来させると、飛雷神の術でいつもの模擬戦場に移動した。
一瞬で景色が変わったことにビックリしている汐音は俺の裾を掴むと、強く揺さ振ってきた。そういえば汐音は初めての経験だったな。
「お兄ちゃんお兄ちゃん! 今のなに、どうやったの!?」
「あー、今のは父さんから教わった忍術でね、汐音にはまだ早いかな。もうちょっと大きくなったら教えてあげるよ」
さて、俺も投擲術の練習は久しぶりだな。そこまで腕は鈍っていないと思うけど。
的とする木を決めたらそれを最適な大きさと形に成形する! 雷遁のチャクラを両手足に流すと跳躍し、木を二つに分断すると霞む勢いで手刀を繰り出した!
「ほあたたたたたたたたぁっ!」
――ズガガガガガッ!
素手で木々を毟り、削っていく!
あっという間に素朴な木が人型へと姿を変えていき、上半身が完成した。今回はこれでいいかな。
今後は投擲術用の藁人形とかも整備しないといけないかも。一応頭の片隅に入れておこう。
「お兄ちゃんすごーい!」
騒ぐ汐音を宥めて彼女を的の正面に立たせる。
「んじゃあ、まずは汐音の腕を見たいからやってみ」
「うん! よーし……えいっ!」
元気な掛け声とともに投げた手裏剣は一直線に的へ向かい、中心のやや外側に刺さった。
自分ではいい結果なのか、ガッツポーズを取って喜んでいる。
「少しコントロールが甘いか。んじゃあ次は二枚同時に投げてみよう」
「えー、二つは無理だよー」
「ありゃ。んじゃあ手本を見せるな」
ホルスターから手裏剣を二枚取り出し、指に挟む。
そして横薙ぎに払いながら投擲した。
弧を描きながら手裏剣は寸分の狂いなく的の急所――首と側頭部に突き刺さった。
「おー! お兄ちゃんお兄ちゃんどうやるの?」
お目目を輝かせる妹。小さな優越感に浸る兄。
とりあえず手裏剣の握り方から教えたのだった。
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