SIDE:A
第六話
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印も覚えたから後は反復練習だな。
術を解き役目を終えた鳥居が消えていくなか、解放されたクーちゃんはジロッと俺を睥睨してきた。
『主よ。練習するのは良いが、妾で練習するでないぞ? 何度もあんな窮屈な思いはしたくないのじゃ』
「あー、うーん……ま、それもそうだな。まあクーちゃんでなくても何とかなるでしょ」
たぶん。
さて、今後は螺旋丸と天動象門陣を中心に修行だな。影分身のレベリング方法なら遅くても一月以内には習得できるだろう。
チートスペックにものをいわせる気満々な俺だった。
† † †
「お兄ちゃんお兄ちゃん! 汐音にしゅぎょーつけてほしいってばさ!」
「おっけー。でもどうしたんだ急に?」
なんとなく庭でクナイを使ったジャグリングに挑戦していると、急にそんなことを言って我が妹が突撃してきた。
二本のツインテールを躍らせて頬を膨らませながらぷりぷりと怒っている。
ジャグリングを中止してホルスターに仕舞うと、俺の腰に飛びついてきた汐音は捲くし立てるように喋り出した。
「あんねあんね、今日みんなとしゅりけんできそって遊んだんだけどね、汐音だけがへたっぴだったの。キバくんなんか下手くそってバカにしたんだよ! だから、うんとしゅぎょーしてみんなより上手くなって、今度は汐音がキバくんを下手くそって言ってやるんだってばさ!」
なんだと! あの犬っころ、うちの汐音ちゃんを苛めるとはいい度胸じゃねぇか。
よし、この俺が下忍顔負けの手裏剣術を仕込んでやるぜ。
「よし、んじゃあ兄ちゃんが汐音を鍛えてやる。兄ちゃんが鍛えるからには一番を目指すからな」
「うん! 頑張るってばさ!」
「おっし。クーちゃーん! ちょっと汐音と出かけてくるけどどうする〜?」
二階の自室に向かって呼びかけると、窓を開け放ち軽やかな動作で飛び降りてきた。
今日のクーちゃんはTシャツにタンクトップ姿で、長い艶やかな金髪を一つに括っている。健康的な引き締まった色白のふとももが眩しい。
「もちろん行くぞ。して、なにをするんじゃ?」
「汐音に手裏剣術の手解きをね」
「ほう。もう主が人に何かを指導する立場になったか。時が経つのは早いのぅ」
「クーちゃんと出会ってまだ三年しか経ってないけどね」
「くすくす、そういえばそうじゃの。もう何年も前からこうして時を過ごしてきたように感じるのは、なんとも不思議なものじゃな」
穏やかな表情で目を細めて空を見上げる。その目
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