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FGOで学園恋愛ゲーム
三話:お誘い
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である。生徒の帰宅である】

 放送を流しているのはヴラド教師である。
 どこかの王族のような優雅さから生徒の人気も非常に高い。
 因みに後者を囲うやけに刺々しい柵は彼の考案である。
 そして、その柵に動くクマのぬいぐるみが串刺しにされていたという都市伝説もある。

『ヴラド先生の放送だ。帰らないと』
「そうですね。では、一緒に帰りながら話しましょう」
『え?』

 一緒に帰ろうというジャンヌからの何気ない提案に思わず声を上げてしまうぐだ男。

「えっと……もしかして迷惑でしたか?」
『全然迷惑じゃない! 寧ろ嬉しい!』

 若干落ち込んだような顔を見せるジャンヌ。
 ぐだ男はその様子に慌てて否定を言葉を並べ、勢いに乗って本音を言ってしまう。
 そのことに気付いて思わず顔を赤くしてしまう。

「そうですか、よかったです。私もぐだ男君と帰れて嬉しいです」

 そんなぐだ男の姿にジャンヌはクスリと笑い花の咲くような笑みを向けてくる。
 彼女の可憐な笑顔にぐだ男の心臓はまるで早鐘のように打ち鳴らされるのだった。

「では、帰りましょうか」
『うん』

 二人並んで靴箱に行き校門へ向かう。
 ジャンヌは特に何も意識していないがぐだ男の方は動作がぎこちない。

「どうかしましたか?」
『な、なんでもない』
「そうですか…?」

 どこかおかしさを感じたのかジャンヌがぐだ男の顔を見つめる。
 しかし、その角度が身長の差のせいで上目遣いで見上げる形になる。
 そのためぐだ男は必死で目を逸らしつつ距離をとる。
 やはりおかしいのだが本人がなんでもないと言っているのでジャンヌも納得し離れる。
 そのことに安堵と若干の後悔を抱いているとやけにうるさい声が聞こえてくる。

「私の計算ではあなた方が最後です! お急ぎください」
『すいません、レオニダスさん』
「すみません」

 守衛のレオニダスに急かされて少し早歩きになる二人。
 彼は筋骨隆々な見た目とは裏腹に数学が趣味という頭脳派なところがある。
 まれに数学の教師陣と話し込んでいる姿も見られる人だ。

「ああ、いや。別に怒っているわけではなくてですな。最近は何かと物騒ですのでお二人の安全のために暗くなる前に帰宅することをお勧めしたいのです」
『心配してくれてありがとう』
「早めに帰ります」

 レオニダスの気遣いにお礼を言う二人。

「ええ、そうするのが一番かと。何しろ私の計算によれば夏の太陽は一見長いように見えて沈む時は秒速―――」
『さあ、帰ろうか、ジャンヌ』

 何やら専門的な話になりそうだったのでスルーをして歩き出すぐだ男。
 ジャンヌは無視していいものかと少し迷ったがすぐに割り切りぐだ男に追いつく。

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