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暁ラブライブ!アンソロジー【完結】
そうなんです 【名前はまだ無い♪】
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っぱり鍵を取るしか……」

 花陽が不安気に凛を見ると、凛は遠くにある机とその上にポツンと置いてある鍵を見る。 花陽も凛につられて鍵を見る。

「でも、さっき届かなかったんだよね……」
「うん……部屋の中にも特に何もなかったし」

 凛は部屋を見回して再度、何か物がないか探す。凛が何かないか目を凝らしていると、突然隣からカチャリと金属音が聞こえる。音の元を見ると、花陽がポケットからナイフを取り出して構えていた。

「かよ……ちん……?」

 凛はナイフを構えた花陽を見て一歩後ずさる。そして自身のポケットに入ってるナイフに手を伸ばす。しかし凛がポケットからナイフを取り出すよりも早く、花陽のナイフが振り下ろされる。
 次の瞬間、花陽が振り下ろしたナイフは、二人を繋いでいる鎖に当たり金属音が部屋に響いた。
 凛が花陽の方を見ると、花陽が振り下ろしたナイフは二人をつないでいる鎖に当たり、止まっていた。

「もしかしたら切れるかもしれないから」
「凛も、凛も手伝うにゃ!」

 そう言うと凛も花陽に倣ってナイフで鎖に切りかかる。
 そして時間が経ち、残り時間が10分となった。その時再び画面が点く。

『爆発まであと10分になったよ。さっき言った通り、首輪を外す三つ目の方法を教えてあげるね。それはどちらかが死ぬ事。どちらかが死ねば、その場でタイマーは止まって首輪は外れる。まぁまた首輪を付けたら動き始めるけどね。そうそう。春人君、だっけ? 君達がそこいいる間、少し酷い目に遭ってもらっるから、彼を助けたかったら少しでも早くそこから脱出する事だね』

 画面が消えてから5分程粘るも、鎖は切れる様子がない。その様子に凛は諦めたように座り込む。

「かよちん、もう無理だよ……」
「無理じゃない。無理じゃないよ。頑張れば出来る!」

 花陽は凛を見ずに一心にナイフで鎖に切りかかりながら、励ます。しかしその手は続いた凛の言葉によって止められた。

「ううん、もう時間がないにゃ。だからさ、凛の最期のお願い聞いてくれる?」

 花陽は凛の言葉に嫌な予感を感じ、顔を上げる。花陽の目に映ったのは寂しそうに笑う凛だった。凛は表情を変えずに、震える手で持つナイフを首筋に当てる。

「凛……ちゃん……?」
「春君と幸せにね。バイバイ、かよちん」

 凛はそう言うと、手に持っていたナイフを地震の首筋に当て、スッと引く。切り口から鮮血が舞う。花陽は服が血で汚れるのも気にせず、徐々に冷たくなっていく凛の身体を抱きしめ、傷口を塞ごうとする。

「凛ちゃん! 凛ちゃん!」

 静かな部屋に花陽の悲痛な叫びが響き渡る。そんな中、カシャンと音とともに花陽の首輪が外れる。首輪のタイマーは残り数秒で止まっていた。それに合わせてモニターが
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