そうなんです 【名前はまだ無い♪】
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ピチョーン、ピチョーン
そんな水の滴る音で花陽は冷たい床の感触とともに意識が覚醒する。そして辺りを見渡そうとするとジャラリ、と首元から金属音が聞こえた。
「え……これ何?」
花陽が首に手を置くと、首輪とそこから伸びる一本の鎖があった。その鎖は壁際に立てられている鉄柱と壁の間を通り、さらにその鎖の先を見ると
「り、凛ちゃんが……なんで……」
花陽が口に手を当て驚いていると、横になってる凛が身動ぎをする。凛の動きに合わせて花陽同様に首に繋がった鎖が金属音を奏でる。
「ぅう……かよちん? ここどこにゃ? それにこれ」
「凛ちゃん、私もさっき目が覚めたばかりで……」
凛が自身と花陽を繋いでる鎖を見て花陽に聞くも、花陽自身も鎖に繋がられた理由が分からない為、答える事が出来ない。
その時、反対側の壁の上部に取り付けられていた小型モニターの電源が入った。
『おはよう。ようやく起きたようだね』
画面に映し出されたのはひょっとこのような仮面を被った人物だった。声もボイスチェンジャーで変えているのか、二人には性別すら分からなかった。
「だ、誰にゃ! 一体なんで凛達にこんな事をするにゃ!」
『それは二人が知らなくて良い事だよ』
凛が詰め寄るように画面の向こうの仮面に聞く。仮面の人物がその質問には答えず、それより、と凛の隣にいる花陽を見るように首を僅かに動かす。
『そっちの彼女、良いのかい?』
「一体何を言って……かよちん!」
仮面に言われ凛が後ろを振り向くと、最初にいた場所よりも後ろの場所で花陽は苦しそうに首に手を当てていた。凛は慌てて花陽に駆け寄ると花陽はその場にしゃがみ込み、深呼吸を繰り返す。
『そうそう。二人のポケットにちょっとしたプレゼントを入れておいたから。それとその首輪、ちょっとした仕掛けがあるから頑張ってね』
仮面がそれだけ言うとプツッと画面が暗くなる。
「ポケットにプレゼント……?」
「それに首輪に仕掛けって……」
画面が暗くなって少し、二人は仮面の人物の言った言葉を呟くとポケットに手を入れる。そして二人が同時にポケットから手を出すと、その手に握られていたのは一振りのナイフだった。
「凛ちゃん、これって……」
「ナイフ、だよね……」
二人は出てきたナイフを震える手で見つめる。取り敢えず、とナイフをポケットに仕舞い、二人は首輪の方を見始める。
「ね、ねぇかよちん。どうなってる?」
「えっとね、タイマーが設定されてる。時間は残り100分くらい」
「なんのタイマーかな……?」
凛も花陽の首輪を見ると同じようにタイマーが設定されていた。それから今度は部屋を見渡す。すると凛が小型モニターの下に設けられている机に
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