暁 〜小説投稿サイト〜
俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
吸血鬼ってこんなん?
第二十九話 式神パラダイス
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
らしく、脚に力を入れて俺の脇腹を強く締め付けた。

「ちょっ、苦しい、お兄さん今苦しい、いろんな意味で」

パッと力を緩め、解放してくれた彼女。飴をあげたあの日と同じよう、ただこちらを見るだけになってしまった。
聞き間違えかも知れないが、さっき『すき』って言ったんだよな。

回復した身体を腹筋の力で起こし、両手を彼女の脇に添えて彼女を持ち上げ、まるでガムテープでくっついてるような足腰をお腹から剥がしてやる。

ふぅ、と一息ついて、彼女と目を合わせる。

「お前、式神なんだな?」

小さく、コクリと彼女は頷いた。

「君に聞くのはおかしいかも知れないけど、俺は君の主人か?」

これまた小さく、コクリと頷いた。

「君の名前はなんだ?」

これには彼女、緑のサイドテールを左右に揺らしてブンブンと首を振る。

教えてくれないのか? いや... 無いとか? もしもそうだとしたらなんだ、俺と同じタイプなのか? いや、橙はどうだ、藍さんはどうだ、もしかしたら主人が決めるものなのかもしれない。そうだと良いが...
などと考えている中、名前を言わない彼女は開くと思わなかった口を開いた。



「ちぃ、ちょうだい」



彼女の薄く紅い目が光りを増したように、俺はそう見えた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ