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俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
吸血鬼ってこんなん?
第二十九話 式神パラダイス
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冷静に考えてみろ、ここにいてバレないということは、少しくらい近づいたってバレないよな、俺は湯気さんを信じてるからな... 湯気さんは俺の味方だもんな、そうだよなっ!

「よいしょ〜♪」

しまったぁぁ! 冷静に考えるまでの時間が長過ぎた。そりゃそうだよな、そうなんだよ、"藍さんだって湯船入る"よぉ...
後ろから一息つく藍さんの声が聞こえる。それもかなり間近で。

今の状況を説明しよう。俺は藍さんに背を向けて座っていた、影を横目でチラチラ見ていたわけだが、つい先ほど藍さんは俺の背の方で座り出した。湯気さんの力は相変わらず凄く、気づかれていない、だがこちらは先ほどよりも鮮明に藍さんが見える。
近いとこにいる為、動いたら終わり、つまり先ほどの作戦はなかったことになる。

一言で、絶体絶命。

「ふぃ〜 やっぱりお風呂はいいものだなぁ〜♪」

くそっ! 可愛いなちくしょう。藍さんのこんな声聞いたことないぞ... やはり女の子は女の子なんだな... 魔理沙然り。
それにしても、これは天国なのか、地獄なのか。いろんなことがあったな、の記憶リストに上書きされてるぞ今のこの状況。

「そう言えばこはっちゃんまだ帰って来ないのかな」

ドクンと心臓が大きく反応して息が詰まる。

「昨日も帰って来なかったし... そう言えば、式神とは上手くやってるのかな」

式神... ああ、やはりあの子は式神か。あの飴を棒ごと食べる不思議な女の子のことだろう。あれ以来会っていないが...

「式神とは言え、式神のたまごなわけだ、しっかり主人に仕えれればいいのだが...」

式神のたまご? 式神になったばかりなのか? いやそもそも俺には式神がなんたるか知らないけど、今の言葉からするに主人に仕えるものみたいだな。
俺が主人ってことだよな、あんな紙渡してくるんだから。

「結構曰くつきな式神だからなぁ...」

式神に曰くつきとかあるのか。式神ってなんだ、本当に。
なんかこう、試験とかあるのか?

「あ〜 アイス食べたい。できればクリームがいい」

独り言多いなこの人。俺もそこそこ多い方だと自覚してるけど、それ以上だなこの人、いやこの狐、いや紫の式。
ああそう言うことか。式って式神のことで、主人に仕える、つまり藍さんは紫に仕えてるわけだ。式神にも式神は仕えるのか、橙は藍さんの式神だしな。
これ以上式神式神考えてると式神がゲシュタルト崩壊起こす。

「今日の晩御飯どうしようか。栗があったから栗ご飯にするか、納豆もあったな」

栗ご飯に納豆かけて食べるつもりかよ、どうなんだそこんとこ、いや美味いかも知れんけどさ。少なくとも俺は嫌だね、納豆も栗も好きだけど。基本嫌いな物ないけど。
考えたくないけど、アイス
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