俺は愛せる? 幻想郷...
吸血鬼ってこんなん?
第二十九話 式神パラダイス
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「久しぶりにゆっくりできてる気がする...」
今の状況を的確に説明するなら、湯気さんが張り切っている、だな。
なんだか凄いサバイバルをすることになりそうだったところを説得で止めさせ、昨日は霊夢の家にお邪魔したこともあり、少し早めに帰宅した俺、八雲琥珀。
自分の部屋に戻ることもなく、その足で八雲家の大浴場へ向かって今に至るのだ。
まるで俺が入ることを予想していたかのように丁度良く湯が張ってあったのでつい入ってしまった。明日にでも自分で掃除しておかなければ。
「なんっかこの二日で色んなことがあったなぁ...」
野生の幼女、ルーミアを発見したり、そのルーミアが本当は大人ですっげぇ綺麗だったり、魔理沙と弾幕ごっこして勝利も覚えて面白いことも発覚した。そんでもって知り合って日が少ないのに霊夢の家でお泊まりときた。
他にもいろいろあったが、まぁ、省略すると... ちょっと待てよ、働き者の湯気さんを見て一つ引っかかる記憶が出てきた。
「あの博麗ちゃんは本当に夢だったのか、それとも現実だったのか」
確かにあんなことはあるはずがない、しかも逆上せて目が覚めた。幻想の可能性が高いだろう。だが、あの妙にリアルな感覚はなんだ... 匂いも、物に触れる感覚も、湯気さんやお湯の暖かさの感覚だってあった。
博麗ちゃん... 見かけに寄らずおっぱ... いやなんでもない大きかったなぁ。
「熱いな」
自然と出たその一言と同時に湯船から出ようとする俺。それまた同時に、ガラガラという中折れドアの音が聞こえる。
これが所謂デジャヴと言われるやつだろうか...
素直に出れば良かったものの、俺は何を考えたのか湯気さんに身を任せ、咄嗟に広い湯船の角へ隠れた。
張り切り湯気さんの力は想像以上である。湯気から伝わる影しか見えない、が... 俺は直ぐにそれが誰だか理解した。
「藍さん...」
俺は聞こえぬよう小声でそう言った。
こんなに尻尾が揺れてるのとか藍さん以外にいないっすもん... 尻尾すっげぇデカいんっすもん...
影からでもわかる、藍さんのスタイルは完璧だ、出るとこは出て引いているとこは引いている... いや何をそんな... 最高です、ごちそうさま。
なんでだろう、なんか、プリン食べたい。物凄くプリンが食べたい。深い意味はない、別に藍さんの胸を見てそう思ったとかそんなことはない。
熱いから湯船から出ようと思ったのだ、そこでもう一度湯船に入って湯気に任せ隠れた。俺は今、ピンチということだ。いっそ前のように逆上せてしまうのもありかもしれないが... こちとら興奮してて意識はMaxでいろんなとこがピンピンしてんだ。
このままじゃ蒸発してしまう。かと言ってここで出たらバッドエンドな気がする。
「いや待てよ...
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