暁 〜小説投稿サイト〜
魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第14話『魔蝕病』
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の重苦しい雰囲気には似合わない条件を出す事にしたのだった。










 ◇ ◇ ◇











「……ったく、厄介事拾ってきて」

「すいませんでした」

 呆れ顔のメイリアに、ジークが気まずそうに目を逸らす。スィーラはジークが合流してからはずっとジークの服の裾を握っており、その小さな体をジークの背に寄せていた。
 ジークに付いてきていた武装集団はジークにこの村の戦力を確認させる為に手配された者達で、確認を終えたジークが彼らと別れようとしたその時に、ジークはスィーラ、メイリアと遭遇したのだ。そうして状況説明を求められ、すべてを話してしまった末の今の状況である。ジークとしては苦笑するしかない状況だが、その話を聞いていたスィーラは、ジークが結果的には病気の人々を救うと決めた事が嬉しいのか、先程から嬉しそうに笑顔を浮かべていた。

 正直に言ってしまえば、ジークとしてはそんなことは考えてもいなかった。というより、どうでも良かったというのが本音だ。

 今のジークにとっての最優先はスィーラだ。それは絶対に揺るがない基準であるし、この依頼を受けたのも最終的にはスィーラの未来の為の布石だ。その勘定にジークはスィーラ以外の事柄は入れていない。故に、スィーラの幸福へと繋がるのならば利用する。それだけの理由だ。
 スィーラが浮かべる笑顔で胸が痛いような気がしないでもないが、そこは甘んじて受けることにする。

「……で?宿の方は見つかったの?」

「見つかったには見つかったけど、四人部屋が一つだけ。小さい村だから、宿が少ないんだと。用意はあるし、俺は外で寝る」

「いいわよ同じ部屋でも別に。その時になったら燃やしてあげるから」

「お前は俺をなんだと思ってる」

 ドヤ顔で手に持った大仰な杖を額に押し付けてくるメイリアをジト目で睨みつつ、その杖を押し返してジークが大きなため息を吐いた。
 ――取り敢えず、旅の目的は未だ定まってはいない。要するにあの町から離れねばならなかったから離れた、ただそれだけの事であり、スィーラが救われる為の道を探す旅だ。
 彼女を救うという事がどのような事になるのかは全く分からないが、兎に角スィーラという一人の少女が幸せであって欲しいと、ただそれだけの願いの旅。故に今のところ、どれだけ時間を掛けようとも構わないのだ。

 ゆっくりと世界を見て回る。それによって、彼女の事についても何かが分かるかもしれない。ある程度金を稼ぎながら、目立たぬようにこの世界を巡るのだ。

「そういえばジーク」

「ん?」

「クーラル・アレンって人に会ったんだけど、知ってる?」

「……は?」

 メイリアが唐突に出したその名に、愕然とする。しか
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