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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第14話『魔蝕病』
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霊界』、その肉体に神獣の血を宿すと言われた獣人達が住まう『獣界』。その四つの頂点たる四王に令を下したと伝わっている。
W──他の王を全て討ち倒した真なる王にこそ、世界を統べるこの『神』に挑む権利を与えよう。この神を殺した者に、思うまま世界を司る力を与えん──W
それが、四つの世界を巻き込んで発生した神代の大戦争──共栄主世界戦争、ワールド・エゴの始まり。
その強大な褒美に目が眩み、狼煙を上げた『狼王』と『妖精王』、『魔王』は、唯一その令を無視し、之を放棄しようとしていた人界すら巻き込んでの大戦争を引き起こす。確かにその戦争は、四つの世界に幾多もの力を与えた。その戦によって撒き散らされた炎と血は、数千、数万という英雄を生み、その数だけ後の世にも伝わる偉業を遺した。
たった一人で数万という軍勢と相対し、その大盾と一本の剣だけで己が故郷と愛する者を守り切り、守護神と呼ばれた騎士が居た。
戦いが始まれば負けを約束されてしまう戦にて、遥か数千里の彼方に立つ敵の大将の心臓を射抜き、戦を始める前に勝利という形で終わらせた伝説の弓兵が居た。
魔族の切り札たる龍種を前にその超人的な技量を以ってその喉笛を千切り、大怪我を負いながらもその槍を脳天に突き立てた龍殺しの英雄が居た。
けれど、戦いが続く限り人々の命は奪われていく。
それに耐えられず、戦うためでなく、万人の命を救う為に剣を取ったのが――霊王の名を冠する初代『神殺し』、ノット・ルーラー。
ルーラーは無数の英雄達を掻き集めその全てを統制し、他の種族の王達の首を全て落とし、たった一人で天へと赴き、『神』との一騎打ちの末にその命を討ち取ったと伝えられている。
――それに狂気的な思考で以って、間違いであると指摘した集団が、『唯神教』である。
曰く、『神は戦を望んだのだ。その果てに滅亡があるというのならば、喜んでその宿命を受け入れるのが我ら人間の義務である』
曰く、『我らが神を殺すなど、絶対にあってはならない。『神殺し』などと持て囃された彼の霊王とそれに加担する英雄達は、人類にとって最大の汚点であった』
──曰く、『人類に留まらず全ての生物は皆、神の
僕
(
しもべ
)
に過ぎない。故に、神を軽んじた愚かな生命達には我らの手で誅罰を下す必要がある』
彼らにとって、自身や他人はあらゆる勘定に加わらない。その絶対的な裁定基準は『神』のみ。彼らは神が作った世界の法則を何よりも重んじ、何よりも尊び、何よりも遵守する。故に、W四つの種族は常に対立している必要があるWと、そう言うのだ。
彼らは絶対に、魔族の身でありながら人の輪に想いを馳せるスィーラを、許そうとはしない。
『
唯神教徒
(
彼ら
)
』はこれからスィーラと供に旅を続ける先に於いて
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