二日目 繰り返される四日間
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っと濡れてるなぁ〜って感じだった。
「やっぱりバルスはバルスね」
「その駄目な子は駄目みたいな言い方やめてくれる?
俺だって努力したよ?」
「努力して結果が出なければ無意味よ。別室で干し直すから手伝って」
「……ちょくちょくダメージを与えられてるけど了解。
元は俺のミスだし。俺一人でやるけど?」
「一人でやるより二人でやった方が効率がいいわ。私も今は暇だし手伝ってあげる」
そう言ってラムは洗濯物を籠に入れて持ち運ぶ。
そう、彼女は怠け者だが。
なんだかんが言って仕事をする立派なメイドだと改めて実感させられた。
「サンキュー」
「感謝の礼なんて要らないわ。
……そうね。強いて要望を言うなら今日の私のする分の仕事をしてくれても構わないわよ」
「見返りデカくね!?」
「そう?
相応の報酬だと思うけど」
相応……ね。
俺は置いてあった籠に入るだけ洗濯物を詰める。
うんとこしょっと。
持ち上げる……結構な重さだな。
ラムは俺より洗濯物が詰まってるのにそれをやすやすと持ち運んでいる。
女の子に力仕事で負けるのはちょっと……なぁ。
「バルス。早くしないと置いていくわよ」
「はいよ、今行くぜ」
────俺って役に立ってるのか?
そんな不安が込み上げる。
俺のスペックではあの双子には敵わない。
仕事量も俺と変わらぬ筈なのにレムとラムは疲れた仕草一つ見せない。
最初は慣れてるな。
なんて思ってたけど違う。
あの双子は本当に疲れてないんだ。
余裕なんだろう……ここで働き始めてやっと一ヶ月。慣れれば俺でも出来る様に成るって思ってた。
慣れない……。
いや、多少は慣れたと思う。
だが、それは人並での話だ。
奴らと同じペースで仕事してたらとっくにバテてる。
だから、俺は俺なりに役に立ちたいと思った。
それでも奴らとの距離は縮まらない。
でも、コツコツと俺は奴らを目指して進むんだ。
「雨は当分止まないから当分は外の掃除をしなくて済むわ」
「おいおい姉様。
そのガッツポーズは使用人としてどうかと思うぜ?」
「ならバルスはこの雨の中、外の掃除をしたい?」
「御免こうむる……まぁ、正直。ラッキーだとは思ってるぜ」
少し、雨の降りが強くなった。
今、気付いたけど屋敷の窓全部、締まってる。
雨が降るって解ってたから先に締めておいたのね。
「そういや……明日になれば分かるって昨日言ってたよな」
昨日、一番気になっていたワードを思い出す。
「もう今日になっちまったけど。
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