二日目 繰り返される四日間
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……。
「やべっ。結構時間食っちまった」
一直線の道を俺は走り抜ける。
取り敢えず、朝食分の卵だけ貰おうと村まで走ってたのに俺の手元には野菜やら薬草、肉類、その他もろもろの詰まった袋で一杯だった。
なんでも、ついでだから持っていってくれって事らしい。
いやー。普段なら超ありがたいけどこの状況だと卵だけ貰って断っとけばよかったかな。
余計な事を考えながら走ると余計に疲れる……。
今は走る事だけに専念しないと。
そしてスバルは走る。
「やっと……屋敷が……見えてきた」
普段なら朝食を済ませてる時間だ。
置き手紙を見てくれたなら待ってくれてるとは思うけど……。
それはそれで迷惑を掛けちまってるしな。
あんな置き手紙するんじゃなかったっと今更ながら後悔する。
────走る。
──────走る。
───走る。
玄関付近に到着!
庭も元通りになってるし、今日のミッションは難なくクリアー出来そうだ。
そして玄関の扉を開けると────。
「お帰りなさいスバル君」
満面の笑顔のレムが出迎えてくれていた。
「おぉ、ただいま!
朝飯はもう食べた?」
「いえ、まだです。
スバル君の帰りを待ってましたから」
ズキっと心を抉る言葉。
やっぱり置き手紙なんてするんじゃなかった。
「マジでごめん!
今から俺が作るからそれで勘弁!」
「いいですよ、そんなに謝らないで下さい」
そう言いながらレムは俺の持っていた荷物を半分持ち。
「いいよ、これのくらいの荷物。
男の子一人で十分だぜ?」
「そんな息切れしながら言われても説得力は皆無です。それに服もそんなに汚れて」
汚れて……俺は自分の来ている服を確認すると。
結構な有様だった。
泥やら蜘蛛の巣やら何やらで執事服『燕尾服』はボロボロな状態だった。
「あちゃぁ……近道なんてするんじゃなかった」
「荷物は私が運んで置きますのでスバル君はお風呂に入って来て下さい」
そしてもう片方の荷物もやすやすと持ち。レムは歩いていった。
────俺って役立たずだな……。
改めて実感させられたぜ。
役に立とうと思ってこれだもんな……また迷惑掛けちまって。
重たい溜息を付きながら俺は大浴場を目指し歩き始めた。
その頃、レムは笑顔で朝食の準備をしていた。
準備と言っても殆どスバル君がやってくれていたので後はパンケーキだけですけど。
爽やかな手付きで楽しそうに。
レムは生き生きしていた。
そんな姿を見て姉のラムは。
「ご機嫌ね、レム」
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