二日目 繰り返される四日間
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に感じ取った。
自分達とは比較に成らない魔力。
それを感じ終えると鬼の双子は笑顔で────笑顔で今日の日を祝福する。
祈りを捧げるように。
今日という日を祝福するのだ。
「────さて、今回はきちんと接せねば」
ロズワールは標準語で普通の服装で……。
お洒落な誰に見せても問題ない身なりで彼女の来訪を待ち続ける。
────あの少年なら問題ないだろう。少しばかり羨ましい……。
ナツキ スバルなら彼女と対等に接する事が出来るだろう。
分をわきまえないから……。
だが、今回はそれで難を乗り越えられるとロズワールは確信している。
「前回同様、会った瞬間。
殺されるのはコリゴリだからねぇー」
おっとこの口調は彼女の前では禁句だった。
ロズワールは反省し。
振り続ける雨を見届ける。
止む気配を見せない雨は激しさを増し、振り続ける。
以前と同じだ。
「私の事は覚えていているかな。
忘れていてくれた方が私としては都合がいい訳だが……」
そう、あれは何年前だっただろう。
挨拶しようと口を開けた瞬間────体の至る所をレイピアで貫かれた様な激痛に感じた。
それは錯覚では無かった。
全身、至る所に綺麗な穴が空いていた。
それを確認する前にロズワールは意識を失い……意識を取り戻したのはそれから三ヶ月後の事だった。
後々、知ったのはその怪我を治療してくれたのはその娘と母である事。
どうやらロズワール服装と口調に驚き、こうなってしまったと娘は言っていた。
その後、何度も何度も何度も。
娘は。
────ごめんなさい。
────ごめんなさい。
────ごめんなさい。
と泣きながら頭を下げて謝ってきた。
そしてロズワールは笑顔でそれを許した。
普通、これ程の怪我を負わされたら恐怖し畏怖するだろう。
だが、ロズワールは寧ろ。
────素晴らしい。
そう言って褒めたのだ。
その後、ロズワールはこの傷を勲章として残し。
あの一瞬のひとときを心に刻んだ。
忘れない。
忘れられない。
忘れられるわけがない!
ロズワールは待ち続ける。
この空の下────舞い降りる神を。
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