二日目 繰り返される四日間
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女。
双子の美少女は同じ時間に眠りに付き、同じ時間に起床した。
身支度を整え、部屋を出る時間も同時刻。正に双子の中の双子とも呼べる双子の美少女は互に朝の挨拶を交わし現在に至っている。
対象的な二人の美少女は屋敷の廊下を一定のリズムで渡り、厨房に向かった。
基本的には双子の妹 レムが朝 昼 夜の食事の料理を担当し。
双子の姉 ラムは食器の用意や味見を担当する。
調理場『厨房』の扉を開け、朝ごはんの準備を────?
「これは……?」
レムのするはずだった朝食の支度は既にされていた。
いや、殆ど終わっていた。
テーブルの上にはサラダの盛り合わせとスープ。
それに……小麦粉と蜂蜜?
「あら、レム。もう、朝食の準備をし終えてたの?」
「いえ、私は先程起きたばかりで……」
そうなると必然的に朝食の準備をした犯人は出てくる。
────スバル君……これは私の仕事なのに。
笑顔を浮かべレムはテーブルに置いてあった置き手紙を読み始める。
────ちょっくら卵を取りに村まで行ってくるぜ!
「あらあら私達より早く起きるなんてバルスしては珍しいわね」
レムの読んでいた置き手紙を隣で読みながらラムは呟いた。
「用意されている材料から推測するにバルスはパンケーキを作ろう試みたけど卵が見当たらず、村まで卵を取りに行った……馬鹿ねバルス。
卵ならここにあるのに」
パカッと小さな小ドアを開け、レムは卵を取り出す。
数は5個……朝食分はなんとかなるだろう。
「どうしましょうお姉様……。
スバル君の帰りを待ちますか?」
「そうね……昨日、ロズワール様は今朝の朝食は要らないと言ってたし」
お姉様 ラムは数秒悩み。
「仕方ない、バルスを待ちましょう」
そう言うとレムは喜び。
「解りました!」と言って調理場を出た。バルスと一緒に朝ごはんを食べたかったのだろう。
そしてバルスの帰りを迎える様に玄関まで小走りし、バルスの帰りをレムは一人待っている。
ラムは嬉しそうな……でも、少し悲しそうな表情を浮かべレムの成長を痛感した。
これは嬉しい事だ。
そう、これはラムにとって喜ばしい事なのだ。
────なのに、何故だろう。
この寂しさは。
この胸の痛みは……。
「いけない、こんな事を考えては」
ラムは雑念を払うように調理場の扉を開け、バルスの帰りを待っているレムの所までゆっくりと歩き始める。
この感情をラムは知らない。
このモヤモヤする心のざわめきの正体をラムは知らない。
いや、昔は知っていたのかも知れない。
だが、今のラムには解らない感情だった
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