暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―始動―
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
気づいてしまう。

 剣山とて伊達に十代のことをアニキと慕っている訳ではなく、そのデュエルをこれまでに何度も見てきてきた。よって、そのことに気づくことが出来たが――剣山にそれを止める手段はなかった。

「――まさか、最初からこれを狙ってたドン!?」

「……ストーム・ネオスの効果発動! このカードはエンドフェイズ時、エクストラデッキに戻る」

 フィールド魔法《ネオスペース》に装備魔法《インスタント・ネオスペース》もない以上、コンタクト融合体であるストーム・ネオスはエクストラデッキに戻ってしまう。ただし、剣山からの最初からそれが狙いだったのかという問いに、十代はニヤリという笑みでそれに答えた。

「そしてストーム・ネオスがエクストラデッキに戻った時、フィールドのカードを全てデッキに戻す!」

 十代の狙い――それはトリプルコンタクト融合体にのみ許された、エクストラデッキに戻る際に発動する効果。ストーム・ネオスの場合、それはフィールドのカードを全てデッキに戻すという効果であり、強烈な旋風は剣山のフィールドの全てをさらっていく。

「ターンエンド……ザウルス」

「オレのターン、ドロー!」

 お互いに一枚もフィールドにカードがない――などと言えば、まるで同格のようにも感じられるものの、実態はまるで違う。どちらが勝利者かなど、誰の目から見ても明らかだった。

「フィールド魔法《摩天楼2−ヒーローシティ》を発動!」

 そしてアカデミアの校長室がまたもや形を変えていき、ヒーローたちの守る都市へと形作られた。高層ビルが立ち並ぶ摩天楼の屋上には、もちろんあのヒーローが鎮座していて。

「《摩天楼2−ヒーローシティ》の効果発動! 一ターンに一度、戦闘で破壊されたE・HEROを墓地から特殊召喚出来る! 蘇れ、ネオス!」

 ――《E・HERO ネオス》。その直接攻撃を剣山が防ぐ手段はなく、ライフポイントは2000とネオスの攻撃力より低く。

「バトル! ネオスでダイレクトアタック! ラス・オブ・ネオス!」

「うわあああっ!」

剣山LP2000→0

 ネオスの一撃により長いようで短かったデュエルは終結し、外野のメンバーから惜しみない拍手が送られた。それを受けて剣山は苦笑いしながら、校長室の高級そうな絨毯に大の字で寝転んだ。

「あー……やっぱり、アニキには及ばなかったドン……」

「いいや、惜しかったぜ。……ガッチャ!」

「アニキ……」

 十代が剣山を助け起こしながら、もはや懐かしくなったいつものポーズ――矛盾しているようだが――を決めて、お互いに健闘を讃えるように肩を叩き合って。それが終わる頃合いを見計らって、ずっと気になっていたことを剣山に問うた。

「なあ剣山。あの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ