―始動―
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気づいてしまう。
剣山とて伊達に十代のことをアニキと慕っている訳ではなく、そのデュエルをこれまでに何度も見てきてきた。よって、そのことに気づくことが出来たが――剣山にそれを止める手段はなかった。
「――まさか、最初からこれを狙ってたドン!?」
「……ストーム・ネオスの効果発動! このカードはエンドフェイズ時、エクストラデッキに戻る」
フィールド魔法《ネオスペース》に装備魔法《インスタント・ネオスペース》もない以上、コンタクト融合体であるストーム・ネオスはエクストラデッキに戻ってしまう。ただし、剣山からの最初からそれが狙いだったのかという問いに、十代はニヤリという笑みでそれに答えた。
「そしてストーム・ネオスがエクストラデッキに戻った時、フィールドのカードを全てデッキに戻す!」
十代の狙い――それはトリプルコンタクト融合体にのみ許された、エクストラデッキに戻る際に発動する効果。ストーム・ネオスの場合、それはフィールドのカードを全てデッキに戻すという効果であり、強烈な旋風は剣山のフィールドの全てをさらっていく。
「ターンエンド……ザウルス」
「オレのターン、ドロー!」
お互いに一枚もフィールドにカードがない――などと言えば、まるで同格のようにも感じられるものの、実態はまるで違う。どちらが勝利者かなど、誰の目から見ても明らかだった。
「フィールド魔法《摩天楼2−ヒーローシティ》を発動!」
そしてアカデミアの校長室がまたもや形を変えていき、ヒーローたちの守る都市へと形作られた。高層ビルが立ち並ぶ摩天楼の屋上には、もちろんあのヒーローが鎮座していて。
「《摩天楼2−ヒーローシティ》の効果発動! 一ターンに一度、戦闘で破壊されたE・HEROを墓地から特殊召喚出来る! 蘇れ、ネオス!」
――《E・HERO ネオス》。その直接攻撃を剣山が防ぐ手段はなく、ライフポイントは2000とネオスの攻撃力より低く。
「バトル! ネオスでダイレクトアタック! ラス・オブ・ネオス!」
「うわあああっ!」
剣山LP2000→0
ネオスの一撃により長いようで短かったデュエルは終結し、外野のメンバーから惜しみない拍手が送られた。それを受けて剣山は苦笑いしながら、校長室の高級そうな絨毯に大の字で寝転んだ。
「あー……やっぱり、アニキには及ばなかったドン……」
「いいや、惜しかったぜ。……ガッチャ!」
「アニキ……」
十代が剣山を助け起こしながら、もはや懐かしくなったいつものポーズ――矛盾しているようだが――を決めて、お互いに健闘を讃えるように肩を叩き合って。それが終わる頃合いを見計らって、ずっと気になっていたことを剣山に問うた。
「なあ剣山。あの
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