―始動―
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ペンデュラムモンスターたち、どうしたんだ?」
俺のデッキに眠る音響戦士と呼ばれるペンデュラムモンスターを思いながら、他のメンバーも気になっていたであろうことを、剣山に直球で聞いていった。まさか異世界で手に入れたカードが変質した、なんて俺のようなことがないだろうが――と考えていると、剣山は困ったように笑っていた。
「その……拾ったザウルス」
「拾ったぁ?」
「そこから先はワタシが説明しマース」
さらに聞いていこうとした瞬間、校長室の扉が開いてぞろぞろと人が入ってきた。その正面に立っているのは、真紅のスーツに身を包んだ銀髪の外人――
「でも、まずは見事なデュエルでした。十代ボーイ、剣山ボーイ」
「ペガサス・J・クロフォード会長……!」
陽気に拍手してみせるその外人は、かのペガサス・J・クロフォード会長で間違いはなく。今のデュエルもどうやら見物していたらしく、剣山と十代に交互に拍手と握手をしていって。
「十代ボーイ。ヒーローシティを上手く使ってくれていると聞けば、ミスター隼人もきっと喜ぶでショウ!」
「え、ああ、まあ……」
テンションの高いペガサス会長に圧されたのか、歯切れが悪いように十代が答えて。それでもかつての旧友こと隼人のことが聞けて嬉しいのか、口の端は少し笑みを浮かべていた。
「そして剣山ボーイ。実はそのペンデュラムカード、それは鮫島校長に頼み、アカデミアに放って貰ったカードなのデース」
「か、勝手に使って申し訳ないザウルス! すぐ返して――」
「とんでもありまセーン!」
恐縮する剣山に対してペガサス会長はマシンガンのように言葉を浴びせていき、ペンデュラムカードを返そうとした剣山に、そのままの形でまた返して。
「デュエリストがカードを選ぶように、カードもまたデュエリストを選びマース……アナタは、そのペンデュラムカードに選ばれたのデース」
「オレが……?」
「もちろんデース。そしてペンデュラムを放った理由は、もちろんあの《ダークネス》に対抗する戦力とするためデース……」
《ダークネス》。その言葉を聞いた瞬間、反射的にメンバーは硬直する。そしてペガサス会長はペンデュラムカードを剣山に突っ返した後、優しく両肩に手を置いた。
「アナタたちのような若者に託すしかないとは、申し訳ないデース……では、あとは頼みマース」
そしてペガサス会長はゆっくりと剣山から離れると、校長室の外に声をかけた。ペガサス会長の護衛であろう黒スーツ姿の男性たちの間から、見慣れた青い制服を着た男が姿を現した。
「……久しぶりだな、みんな」
「――三沢!」
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