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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話 イゼルローン要塞に帰ります・・・・。
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を執る。後で、交代してもらおう」
「いざというときに艦長が指揮能力を欠いたままだと艦の存亡にかかわるけれど?」
そう言いかけたティアナだったが、軽く首を振った。そういうことはロイエンタールに言うべきことでもないし、そもそも鋼鉄の自制心をもつ人間には当てはまらない。
「では、お言葉に甘えて、失礼します。艦長殿」
軽くうなずき返したロイエンタールに敬礼し、ティアナは背を向けた。
「フロイレイン・ティアナ」
背後で呼び止める声がした。
「・・・・ご苦労だった」
短い言葉で、淡々としていたが、その中にあった思いをティアナは受け止めることができた。あの時自分が一喝したのはある意味で越権行為だったかもしれないが、ロイエンタールはそれを最大限に利用した。その結果が男女の、いや、全乗組員の結束を良くしたのだから、やはりこの人は上に立つ人なのだなと思うばかりである。
「艦長。・・・・ご立派でした」
一瞬だけ相好を崩したティアナが改めて敬礼をし、艦橋を後にした。
他方――。
帝国軍の陣容は重い空気に沈んでいた。安全圏内に到着した時点で、ミュッケンベルガー大将が総司令官戦死を将兵に伝えたからである。参加した艦艇6万隻以上であり、絶対損害数は1万隻を越えていたが、同盟軍よりもその損害数は少ない。その意味では戦術的には同盟軍に勝ったと言えるだろう。
だが、最も大きな問題は司令長官が戦死したことである。その壮烈な戦死は人々の心を打ったが、同時によりどころをなくし、将兵たちは士気を失っていた。あの元気の塊のような闘将がいなくなってしまったのだから。
ミュッケンベルガー大将は秩序を保ちつつ、整然と艦隊を整理し、帰還の途に就いていた。
「司令長官を失ったことはわが軍にとって大きな痛手であるが、この時こそ平素以上の気構えで軍務に精励すべし。各戦隊、各艦隊司令は秩序の維持を徹底すべし。司令長官を喪失したことで士気が下がり、軍務に支障が生ずれば、司令長官がヴァルハラでどれだけお嘆きになることか。皇帝陛下にも申し訳がたたぬ」
というのが、彼の発した帰還における上級将官に対する訓示である。さらには「司令長官を失ったことは決して忘れるべき事ではなく、この屈辱を反徒共に必ずや思い知らせてくれようぞ。」と付け加えることも忘れなかった。
こうして、同盟軍はヴァンフリート星域における防衛に成功した満足感と、ロボスの力量の小ささという失望感を、帝国軍は司令長官戦死という手痛い損失を抱えこんで別れたのである。
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