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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話 イゼルローン要塞に帰ります・・・・。
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う言ったが、本人はまるでちょっとした夕立にあったような風である。
「追撃はできませんわね。相手の一方的な攻撃を許すようで釈然としませんが、わが方の損害も小さくはありませんから。それにああいう状態では無理です」
と、シャロン。前方には機関部を破壊され、漂っている無数の友軍艦艇があった。
第五艦隊の損害は撃沈3000隻近くにまで達していた。損傷はもっと多い。フィオーナが砲撃の主目標を動力部に集中させ、漂流させる作戦にも出たので、追尾しようにもそれらが邪魔して追撃できないのである。
ビュコック中将だったからこそ、まだこの程度の損害で済んだのであり、他の指揮官であれば艦隊は第十艦隊のように壊滅敗走していたかもしれなかったとシャロンは思った。
「では、損傷した艦艇をまとめ、整備を終了次第、本隊に合流するということでよろしいですか、閣下」
参謀長が意見する。
「うむ。そうしてくれるかな?それにしても・・・・」
その時、副官が艦橋に駆けつけ、電文を渡した。先に受け取ったざっとした戦闘詳報の続きが総司令部から届いたのだった。総司令官戦死の報告を受けたビュコック中将は、敵が撤退するはずだと思い、本隊との挟撃体制を図るために、攻勢をやめて守勢に転じたのである。敵がそれを察知してさっと引き上げた手腕はなかなかの物であったとビュコックは思っていた。
詳報には戦闘の推移とそれに伴う味方の動き、そして今後の指令が記載してあった。
「敵の司令長官が戦死した件じゃがの。わが軍の降伏勧告を跳ね付けてな。なかなか激烈な調子だったと書かれておる」
ビュコックは参謀長に言った。
「ほう?それは剛毅な人が帝国軍にいたものですな。ですが、司令長官を戦死させたというのは、大きな戦果でしょう」
「そうかな」
ビュコック中将はちょっと皮肉交じりな調子で参謀長に問いかけた。
「こちらの損害も小さくはないぞ。第十艦隊のアジール中将は戦死したそうじゃ。その半数は壊滅、残存艦隊はウランフ少将が率いて保たれておる。最初に敵のジョウカイ進撃を許した第九艦隊も損害は小さくはない。そして総司令部の艦隊は損害数5000隻を超えると言ってきおった。こう見ていくと、損傷した艦艇の率や数はわが軍の方が上なのではないかな?」
「・・・・・・」
参謀長が黙ってしまう。後で判明した結果によれば、今回参加した艦艇総数87000隻のうち(シドニー・シトレ大将指揮下の臨時艦隊を含む。)撃破された艦艇、10829隻、損傷した艦艇13972隻、と2万隻以上の艦艇が損害を受けた。戦死者は100万人を超え、負傷者は150万人近くに達する。
同盟軍としては手痛い損害である。こと、自由惑星同盟において様々な改革が行われている時期なだけに余計始末が悪い。
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