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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話 イゼルローン要塞に帰ります・・・・。
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将に通信文を渡した。

「なるほど、撤退か。貴官の読みが当たったようだな。副司令官ミュッケンベルガー大将の名前で来ているということは、司令長官は戦死でもなされたか」
「可能性はあります。普通ならば秘匿するのが一般的です。ですがこの場合には正しいかもしれません。動揺は起こるでしょうが、なまじビリデルリング元帥からの通信文では撤退の理由がわからないと交戦継続を望む将官が詰め寄り、結果として撤退の好機を逸してしまうでしょうから。特にこの宙域での戦いについては、私たちが勝利しつつありますし・・・・」
「いい潮時だ。もう数時間で睡眠剤の効き目も切れる。そうなる前に艦隊を安全圏内に離脱させた方がいいかもしれんぞ」
「はい」

 うなずいたフィオーナは全軍に指令した。すなわち、敵に対して苛烈な砲撃を30分ほど叩き付け、敵が後退した瞬間に急速反転離脱を図るというものであった。

 前世においてフィオーナの得意とするところは、火力の適宜集中配備と機動性、そしてそれらを瞬時に的確なピンポイントを割り出してそこに集中できる抜群の天性の勘である。彼女はその前世に置いて培ってきた才能をここで存分に発揮した。
 ビュコック中将の艦隊は30分間というもの、攻撃位置につこうとするたびにたたかれ、引こうとすると詰め寄られ、部隊を転換することもできずに暴風の嵐の中で耐えるしかない状態を経験したのである。

「最後です!!とどめ、主砲斉射、3連!!目標はα139地点に集中砲撃!!ファイエル!!」

 フィオーナが左手を振った。電文化された指令がそれを全軍に伝え、グリンメルスハウゼン艦隊は最後のとどめとばかりに一斉に砲撃を相手に叩き付けた。それも敵の先頭集団に向けてである。ズタズタになった先頭集団は戦闘部隊としての機能を喪失した。

「転進!!」

 フィオーナが指令した。グリンメルスハウゼン艦隊は次々と転進して引き揚げていく。もっとも難しいのはこのタイミングで有り、敵の反撃が最も来るのがこの瞬間であった。フィオーナは自分の直属の戦艦戦隊をもって盾とし、自身は最後尾にあって、老朽化した旗艦と共に奮戦し、一隊、また一隊、と順繰りに素早く味方を逃がした。
 このころになると、グリンメルスハウゼン艦隊も旗艦から発せられる指令の的確さに感銘を受け、進んで殿を務めようとする1000隻が司令部(フィオーナ)の許可を得て旗艦の護衛に当たっていた。その護衛と先ほどの苛烈な攻撃のおかげで、ビュコック中将の第五艦隊はグリンメルスハウゼン艦隊の退却を許すことになってしまった。

ビュコック中将が体勢を立て直したときには、グリンメルスハウゼン艦隊は遥か遠くに去っていった後であった。

「やれやれ、やっといきおったか。まったく凄まじい攻撃じゃったの」

 ビュコック中将はそ
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