外伝〜不審人物の調査〜後篇
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リコ亭”で部屋を借りているらしい。ミンネスという男も宿を訪れておったようだし、そのために移動したのかもしれんな。おかげで私有地に工場を建てる計画など、毛ほども気づく事ができんかったわい。……情けない話じゃが。」
ロイド達に尋ねられた村長は唸った後答え、溜息を吐いた。
「……どうなんだろうねえ。案外、商人に入れ知恵されて移動したのかもしれないよ?村長に情報が届きにくいように。」
「?」
「ど、どういうことじゃ……?」
ワジの話を聞いたハロルドは不思議そうな表情をし、村長は戸惑いの様子を見せて尋ね
「ま、ここからはリーダーが説明してくれるよ、」
ワジはロイドに視線を向けた。
「あのな……まあいいけど。」
「ロイドさん、何か気になることでもあるのですか?」
「―――あくまで、俺達のカンのようなものですが……あのミンネスという男には、怪しい点があります。」
「何じゃと……!?」
ロイドの話を聞いた村長は声を上げた。
「彼の語った計画は、参加した誰者が利益を得られるものでした。アルモリカ村は新たな産業を得て、クインシー社は将来に展望ある子会社を得る事になる。一見説得力のあるように見える彼の話ですが……如何せん話がうますぎる。……そうは思いませんか?」
「……!い、言われてみれば……」
ロイドの説明を聞いたハロルドは目を見開いて言い
「それに、ミンネスさんは新型導力トラックを安く譲ったりしています。これはいわゆる、『先行投資』とも見る事ができると思います。」
「導力車の新型は、まだまだ高価なのは間違いありませんからね……さすがに5万ミラで譲渡するというのは、あたしも破格すぎる気がします。」
ティオの説明に続くようにノエルは真剣な表情で言った。
「つまり、逆に言えば……必ず代金を回収できる『見込み』がある、ってことになりそうだな。」
「それは……確かにおかしいですね。クインシー社ほどの大企業ならコストを度外視したプロジェクトを進めるはずがありませんから。」
「ふ、ふむ、それもそうか……なんだかキナ臭くなってきおったのう……」
ランディの話を聞いて考え込み、そして話したハロルドの説明を聞いた村長は厳しい表情をした。
「ミンネス氏には、何か別の目的……あるいは必ず儲かるアテがあるのかもしれません。何の証拠もありませんが……念のため、心に留めておいた方がいいと思います。」
「うむ……重々気をつけるとしよう。さて、ご苦労だったな、特務支援課の諸君。おかげでかなり状況を整理できたわい。礼を言わせてもらうぞ。いえ、それはいいんですが……その、大丈夫ですか?何なら、捜査を継続して……」
「いや……ひとまずはこれで結構じゃ。そもそも
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