外伝〜不審人物の調査〜後篇
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甘い物は苦手でしてねぇ。昔は本当に疎いものでした。長年営業方面で活躍したおかげで力を認められ、今の地位につかせてもらったわけですが……おっと、話がそれてしまいましたかな?」
(……ますます怪しいわね。大手の製菓業界の営業役が甘味が苦手だなんて。営業をする上で絶対に味の感想なども必要になってくるはずよ。)
ミンネスの話を聞いたルファディエルは目を細めて考え込んでいた。
「あ……い、いえ。こちらこそ失礼しました。……コホン。先程、アルモリカ村で『取引き』と仰いましたね。その『取引き』とは……村長の息子、デリックさんに関係のあることなんですね?」
「何でも、村の発展に関係のあることのようですが……」
「おや……そこまで知っておいででしたか。ふむ、デリックさん自ら情報を解禁したというのなら、隠す意味はありませんな。ふふ、彼とは友好的な関係を築かせていただいております。」
「やはり……」
「詳しく聞かせていただけますか?」
ミンネスの説明を聞いたティオは納得した様子になり、ロイドは尋ねた。
「ふふ、いいでしょう。我がクインシー社は、製菓業界の未来の為、日々研鑽を重ねています。そんな中、私は本社よりある使命を賜って参りました。それは、このクロスベルへのクインシー社の進出、その足がかりを模索することです。」
「つまり……クインシー社の子会社をクロスベルに?」
「ふふ、その通りです。そして、手始めに市内の百貨店にヒントを探しに行った所で……私は出会ったのです。かのアルモリカ村で作られるという、大変質のよい『蜂蜜』をね。」
「蜂蜜……アルモリカ村のレンゲ畑で作られるアレですね。」
「ハロルドさんもその質は保証していたっけ……」
「豊かな自然のもと、代々受け継がれてきたレンゲ畑によって生まれる蜂蜜。それを見た時、天啓の如く新たな製菓ブランドを立ち上げる一つの計画が生まれたのです。その計画名こそ……『アルモリカ・ハニーカンパニー』。」
「アルモリカ・ハニーカンパニー……」
「な、なにやら凄そうな響きだな。」
ミンネスの話を聞いたノエルは呆け、ランディは戸惑った。
「つまりは、アルモリカ村の蜂蜜をふんだんに使用したお菓子を提供していくわけです。しかし、そのためには現地の、アルモリカ村の方々の協力が必要不可欠でした。そこで私は、アルモリカ村の次期村長であるデリックさんに、この話を持ちかけたのでございます。製菓工場の建設、そしてこの新会社の経営をしてみないか、とね。」
「デリックさんにクインシー社の子会社を……!」
「無論、そのノウハウや販売ラインは我が社で用意し、以降、レンゲ畑はこちらのスタッフで管理する……一切のお手を煩わせない、そして村人たちの苦労を減ら
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