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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜不審人物の調査〜前篇
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……それがわからん息子ではないはずなのだがな。」

「確かに不可解ですね……息子さんに何かあったのでしょうか?」

「うむ、わしもそう思ってハロルド君と共に色々と調べておったんじゃ。すると……得体の知れない人物が浮かべあがってな。どうも最近、あやつは不審な外国人と会っているようなんじゃ。」

「外国人……ですか?」

村長の説明を聞いたノエルは不思議そうな表情をした。

「あまり詳しいことはわからないのですが……ただ、どうもデリックさんと内々に何かを話し合ったりしているらしいのです。」

「ふうん……密談とは、確かにただならぬ臭いがするね。」

「そこで、あんたたちにはその外国人について詳しく調べてもらいたんじゃ。何か悪い企みがあるなら、早急に対処せねばならんからな。」

「失礼ですが……今回の件、わざわざ私達に依頼するまでもないのでは?直接息子さんに話されるのが一番合理的なはずですが……」

依頼内容を聞き終えたティオは疑問に思った事を口にした。

「おいおい、ティオすけ……」

(クク、はっきり言うじゃないか。)

ティオの疑問を聞いたランディは疲れた表情をし、エルンストは口元に笑みを浮かべた。

「……いや、恥ずかしながらお嬢さんの言う通りじゃ。実は、以前からわしと息子は村の在り方を巡って衝突を繰り返しておってな……この事についても事情を聞いたが、結局何も答えてくれなんだ。父親としては情けない話だがな。」

「そんなことは……」

「……とにかく、話はわかりました。早速調査にあたらせていただきます。手始めに、村の人達に聞き込みをしたいと思いますが……」

「ああ、是非お願いしよう。ただ、デリックは今エルキンという青年と共に街に作物の納入へ行っておる。本人への聞き込みは後回しにしたほうがいいじゃろう。」

「皆さん、ぜひとも有益な情報を手に入れてきてください。」

「ええ、お任せください。」

その後手分けして村中の人々から聞いた後、それぞれ合流して互いの手に入れた情報を報告して、話し合いを始めた。



「一通り聞き込みしてみたけど……色々と情報が得られたな。」

「名前は『ミンネス』………どうやらなにかの商売人と見られているみたいね。それになんというか、意外にも好印象な人物だったわ。」

「礼儀正しく、子供に優しい……そんな印象だったね。フフ、ここまでくると逆に怪しくなってくるけど。」

ロイドとエリィの話に頷いて答えたワジは口元に笑みを浮かべ

「た、確かに……」

「実際、目的がいまいち見えてきませんしね。」

ワジの言葉にノエルは頷き、ティオは静かな表情で言った。

「村長の息子と、何を話しているかも気になるところだよな。」


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