73部分:第七十二話
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第七十二話
第七十二話 五つ巴
華奈子と梨花は対峙する。だがそこに思わぬアクシデントがやって来た。
「あ、そこにいたのね」
「その声は」
「うふふ」
二人が顔を向けた先には美樹がいた。彼女はにこやかに笑って二人を見ていた。
「やっと見つけたわよ、二人共」
「やっとって」
「私達を探していたの?」
「ええ」
美樹は頷いた。
「折角だからね。勝負したいから」
「いいわ」
二人はそれを聞いて頷いた。
「二人より三人の方がいいし」
「やってみたいわよね。是非」
「わかったわ。それじゃあ」
美樹も笑った。そしてゆっくりと二人の方へ進んでいく。だがここでまた新たな騎手が姿を現わした。
「ここに皆いたんだ」
「赤音ちゃんまで」
今度は赤音もやって来た。
「折角だからね。私もって」
「って赤音ちゃん運動神経は」
「そんなの関係ないわよ。私は歩いたり走ったりするのは苦手でも華奈子ちゃん達とやりたいから」
「それで来たの」
「そういうこと。いいでしょ」
「これで四人、か」
「何か訳がわからなくなってきちゃった」
「けれどこれで終わりにはならないような気が」
「うん、そうなの」
「あっ、やっぱり」
四人は新たな声が聞こえてきてこう呟いた。そして当然のように春奈もやって来た。
「私は。クラスの参謀で出ていたの」
「成程ね」
「それならわかるわ」
四人は春奈のその言葉に頷いた。
「来るのよね」
「うん」
春奈は華奈子の問いに頷いた。
「そのつもりでここまで来たから」
「わかったわ。じゃあ来て」
華奈子はそれを聞いて頬笑みを浮かべた。
「五人で。最後までやりましょう」
「誰が勝っても恨みっこなし」
「最後に勝った人には皆でおめでとう」
「それでいいわよね」
「うん」
春奈は華奈子、赤音、美樹、そして梨花の言葉に頷いた。
「だから。やりましょう」
「ええ」
こうして五人の小さな魔女、いや騎士達が対峙した。そして新たな戦いの幕が上がろうとしていたのであった。
第七十二話 完
2005・12・10
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