3章〜胎動〜獣たちの謝肉祭〜 第68話
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ダグラスの説明を聞いたロイドは溜息を吐き、ノエルは目を丸くしてスコット達を見つめて尋ねた。
「ああ、不意を突いて何とか倒すことができたよ。これも君達の方から情報が回っていたおかげだな。」
「ただ、どうにも妙な手応えでな。アーツの効き方が異なる上に光るようにして消えてしまった。」
「やはり……」
「……俺達が戦った時とまったく同じみてぇだな。」
「……同じ倒され方をした……という事はまた出て来るかもしれないわね……」
スコットとヴェンツェルの話を聞いたエリィは呟き、ランディは目を伏せて呟き、エルファティシアは考え込んだ。
「しかし山岳地帯ということは……今度は”屋外”に現れたんだね?」
「ええ、これまでにも”塔”や”僧院”など異常な場所は確認されているわ。どうやら何らかの理由で”場の歪み”が発生していると推測されているのだけど……でも、これらの”幻獣”は山岳地帯や湖沼地帯などにも出現しているの。ひょっとしたら”場の歪み”がそうした屋外にも現れているのかもしれない。」
ワジに尋ねられたソーニャは真剣な表情で答えた。
「そ、そんな……」
「ゾッとしない話だなぁ。」
「では、私達をここに呼んだ理由というのは?」
「ああ、これらの幻獣への対応をギルドと特務支援課の双方に頼みたくてな。独立提唱がなされて以来、ベルガード、タングラム両門でやや緊張状態が続いている上、”結社”なんていう連中が司令やヴァイスハイト局長達……”六銃士”の暗殺を宣言したという……せめて住民投票が終わるまではそちらと司令達の護衛に集中しておきたいんだ。」
エオリアの疑問にダグラスは答えた。
「……わかりました。引き受けさせて頂きます。」
「分担に関してはこちらに任せてもらっても?」
「ええ、データはお渡しするからそちらにお任せするわ。それと……できれば”原因”の特定も頼みたいの。」
「原因……なぜそうした”幻獣”がいきなり現れたか、ですか?」
ソーニャの言葉を聞いたティオは疑問を口にした。
「ええ、魔獣の発生は昔から一定のサイクルで起きているけど……この”幻獣”に関してはそこから外れた”異常事態”と言っても過言ではないでしょう。」
「―――間違いなく何か原因があるはずだ。”場の歪み”を発生させて常識外れの大型魔獣が現れるだけの原因がな。」
「なるほど、確かにな。」
ソーニャとダグラスの話を聞いたランディは頷き
「ギルドの名に賭けて必ずや突き止めてみせよう。」
ヴェンツェルは静かな表情で言った。その後ロイド達はタワーを出た。
〜オルキスタワー・正門前〜
「しっかし、アンタたちとこんな形で共闘するとはねぇ。」
タワー
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