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第七十一話
第七十一話 騎馬戦
それぞれのクラスが入るとグラウンドに緊張が走った。各クラス互いに対峙し合う。
「いよいよだけれどいい?」
「うん」
女子が騎手になり、男子が三人で馬を作っている。当然それでは女子の数が少なくなる為メンバーを選りすぐっている。
それだけに精鋭揃いであった。
「皆、頼むわね」
「わかってるよ」
華奈子の下にいる男子達が頷く。皆気合が入っていた。
「そのかわり華奈子ちゃんも頑張ってね」
「うん」
華奈子も応えた。そしてそれぞれ睨み合う。
「任せて。絶対勝つからね」
「頼むよ」
勝負の開始が告げられるのを待っていた。そして息をこらして待つ。
ピストルが鳴った。そして遂に六つのクラスが一斉に動きはじめた。
「行くわよ!」
「こっちこそ!」
華奈子のクラスも当然動いていた。そしてその先頭には当然ながら華奈子がいた。彼女はまるで炎の嵐の様な速さで進んでいた。
華奈子はまず梨花のクラスに向かった。そして素早い動きで鉢巻を次々と奪っていく。
そして梨花と対峙した。彼女も騎馬戦に参加していたのである。
「応援凄かったじゃない」
「梨花ちゃんもね」
二人は互いに言葉を返す。
「まさか互角だったなんてね。意外だったわ」
「あたしもよ」
華奈子はニヤリと笑って言葉を返す。
「けれど。騎馬戦ではそうはいかないわよ」
「それはこっちの台詞よ」
梨花も返す。
「午前の借り、返すからね」
「いいわ。こっちも受けて立つわ」
華奈子も言った。
「面白そうだからね」
「そうね、本当に」
梨花も華奈子もニヤリと笑った。
「それじゃあはじめましょう」
「ええ」
二人の身体をオーラが包んだ。
一方は赤、もう一方は黄色のオーラが。まるで炎の様に包み込んでいた。
「行くわよ!」
「こっちこそ!」
両者は同時に動いた。双方の腕が煌いた。
そして交差した。だがそれでは勝負は終わらなかった。
「クッ!」
二人は同時に後ろを見た。そしてまた睨み合う。
今度は時計回りに動く。それから狙いを定めにかかる。
「今度は負けないんだから」
「今度も勝ってやるんだから」
そしてまた睨み合う。戦いは激しさを増してきた。
第七十一話 完
2005・12・10
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