第一部:ゲート 開けり
プロローグ 銀座事件
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
やオークが武器を振るっても、彼女はまるで踊るようにひらりひらりと身を翻して避けまくり、逆にどんどん至近距離で撃たれて余りの衝撃の強さに後続ごと吹き飛ばしながら地面を転がっていく。
まるでスタイリッシュアクションを見ているようだ!
こうして僅か5分以内に、この銀座を襲った謎の武装勢力の一部(約120人ほど)は、全員彼女によって殲滅されて地面に死体または肉塊となって転がる破目になった。脳漿を周りにぶちまけて風通しの良さそうな風穴を開けた生首や、頭部が無い胴体。胴体に大きな風穴を開けて中身の臓物をぶちまけている死体や、手足などがすっぽり消え失せた死体。まるでスプラッター映画のような死体があちこちに転がっている。
そんな地獄絵図に思わず幾ら敵とはいえ民間人は少し同情し、湧き上がる吐き気を我慢できずに思いっきり地面にぶちまける者もいた。そしてこの惨状を作り上げた本人は周囲の敵を殲滅したことを確認すると、先ほど助けた親子の下に駆け寄り、子供の体を抱えて何か怪我をしていないかどうかチェックしだした。
「大丈夫か、汝よ。どこか怪我をしているところは無いか?」
「う、うん。ありがとう獣のお姉さん」
「けっ獣?ま、まぁ、確かに獣耳だが……。まぁよい。無事なら良いのだ」
彼女の心配そうな感情が籠るその問いに対し、件の子供は問題無い事を告げるがその際に彼女の事を変な呼称で呼び、
それに彼女は少し目を丸くして戸惑うが直ぐに子供の言う事だと思い、何とか元の平静な状態に表情を戻すと、色々とチェックして何も負傷した箇所が無いのを確信して思わず微笑んだ。彼女にとって15歳以下の子供は宝よりも貴重な存在で、それを穢そうとする者は例え神でも許さないのが信条であるから、そうとは知らずに彼女の怒りを買った武装勢力は全員死体となって転がる破目になったのだ。
「さぁ、そこの汝よ。早くその子を連れて何処か遠くに逃げなさい。ここから一刻でも早く離れることが貴女の使命だ」
「あ、ありがとうございます!おかげでこの子が助かりました。あの、後で恩返しをしたいのでお名前を…」
「そんなものはどうでもよい。私に出会うことはもうないだろうからな。しかし、何れ運命の悪戯で出会うかもしれないから名前だけ告げておこう」
彼女は子供の親に早くここから離れるように促すと、くるりと向きを変えて背中を見せ、次の得物を探しに向かおうとした。だが、彼女の背に親は声を掛け名前を聞こうとしたので、彼女は首だけ振り返ったままで己の名前を告げた。
「私の名前は
『アタランテ』
月と狩猟女神アルテミスの加護を受けて育ち、カリュドーンの猪を射止めた女だ」
そして振り返るのを辞めて元の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ