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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
プロローグ 銀座事件
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、空気が少し変わった。獣耳の女性はそれを見ると我慢に耐え切れず、遂に先ほどの鶏マスクの青年に謝りながら地上へと飛び降り、親子の救出に向かった。


そんな彼女の予想通りの行動に少し呆れながらも、良い機会と思いながら彼は引き連れてきた部下たちに声を掛け、彼らの返事をBGMに彼女に続いてビルの屋上から飛び降りて地上に向かった。元々彼らは基本的に善人なので介入する機会を見計らっており、彼女がそれを作ってくれたのでこれ幸いと言わんばかりに彼らは介入した。





「汝ら伏せろ!」

バシュ
バシュ


アタランテと呼ばれた件の獣耳の女性が地上に降り立つと、
ちょうど先ほどの親子連れがオーガー2体に襲われており、
手に持っている斧を振り下ろそうとしていたので、彼らの命の危険を感じた彼女は何時の間にか取り出した長弓から弓矢を4本放つと、その矢が刺さった奴らの両手と頭部が、まるで刃物で切断したかの様にゾブリという鈍い音と共に周囲に吹き飛ばした。


距離300m程離れていて更に走りながら撃ったのにも関わらず、4本の矢は狙い通りの場所へと当たり、
そのまま肉体と骨を切断するなど威力の絶大さを見せつける。手首から先までの両手が握ったままの斧が地面に転がり、
醜い顔も地面に椿の花の様にぽとんと落ちる。同時に頭部を失った首元から血が噴水の様にぴゅーっと噴出したまま、
胴体は膝をがっくんと着いてそのままぐらりと崩れ落ちる。


その光景に親子と同じく逃げていた周りの民間人やそれを追いかけていた兵士達、それにトロルなど凶暴な生物たちは思わず行動を止めて彼女を見入る。とても信じられない光景だからだ。若いまだ大学生くらいの年齢で、更にエメラルド色の髪の毛をした人間とは思えないほど美しく、まるでエルフや妖精の様な神秘的だが何処となく野性味を感じさせる女性が一度に4本もの弓矢を放ち、多くの弓矢を当てることでようやく殺せるオーガーを容易に殺し、更にまるで対物ライフルでも撃たれたかのように被弾箇所が吹き飛んだからだ。


そしてそれがこの場に居る銀座を襲った武装勢力にとって命取りとなった。彼らが唖然としている間に彼女は平然とした様子で手早く次の弓矢を構え、狙いを定めると矢を放ち次々と射殺していく。
それでようやく意識を取り戻した彼らが彼女を危険な敵として認識し、今まで追いかけていた民間人たちを無視して彼女の殺害に取り掛かる。手に握る得物を振りかざして叫び声を上げながら突撃し、
弓兵は新たな標的に照準を向けて射かけようとする。


しかし、そんな鬼気迫って襲い掛かろうとする周囲に一瞥をくれると、彼女は冷静な表情のまま瞬時にまた新たに矢を4本取り出し、手慣れた作業の様に近くに居る者から順番に射っていく。何とか近づくことが出来た兵士
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