第一部:ゲート 開けり
プロローグ 銀座事件
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、銀座はたちまち賑わう繁華街から一転、戦場と化した。
最初にゲートから飛び出したのは、
俗にいうワイバーンだ。ドラゴンの頭、
コウモリの翼、一対のワシの脚、ヘビの尾に、尾の先端には矢尻のようなトゲを供えた空を飛ぶ竜の一種で、ドラゴンよりは弱い生物だ。
奴らは背中に騎兵の様に兵士を載せており、謎のファンタジー世界の生物の登場で思考停止状態の野次馬に向かい飛来し、口から射程距離50m程の火炎放射を行って焼き殺したり、
口内にずらりと並んだ牙で噛み砕いたり、空中高く噛み咥えたまま運んで地面に叩き落としたりして、多くの人間を襲い死傷者を続出させた。更に背中に騎乗している兵士たちもワイバーンを巧みに扱いながら、片手に持つ槍で民間人を串刺しにして死傷者を増やした。
次に飛び出してきたのは、ゴブリン、
オーク、トロル、
ジャイアントオーガーといった凶悪な生物だ。知的水準が非常に低い生物として数々のファンタジー作品では有名で、
まるで奴隷の様なぼろ布を腰に身に纏うだけで、手には棍棒や斧などを持ち、
勢いよくそれを振り回しながら突っ込んできた。奴らは走って逃げる人間やショックで腰の抜かした人間の前に追いつくと、手に持つそれらの武器を勢いよく振り落として撲殺&斬殺して次の獲物へと襲い掛かった。
そして最後に出てきたのは、ローマ帝国や中世ヨーロッパの様な武装をした白人の兵士たちだ。彼らは兵種ごとに装備が違うが、共通点としてローマ帝国軍団(通称レギオン)の様に、統一された太腿までの鎧を装備していた。そして大楯と剣で武装した剣兵、
柄の長さが3mほどの槍兵、短めの弓を持った弓兵、馬に騎乗して剣や槍で武装する騎馬兵、これら4種類の兵士で部隊が構成されていた。
彼らは隊列を整えてゆっくりと前進しながら、先に前へ出ていった凶暴な生物たちが取り逃がした人間を始末したり、
周りの店などから物資を略奪してゲートを囲むようにバリケードを形成して拠点構築に取り掛かったり、与えられた任務に沿った行動に取り組んでいた。彼らによって銀座に居る人間は、剣で胴体や首を切られたり貫かれる者。槍で心臓を貫かれる者。弓で首や胴体を矢で射貫かれる者など、色々な手段で殺害された。
無論、銀座に居る人間は逃げるばかりでなく、戦う事を選んだものも少なからず居た。その多くは近くの商業施設の警備員や、通報を受けて駆け付けた警察官であった。彼らは装備する特殊警棒や拳銃を頼りに、民間人を襲うモンスターや兵士に攻撃すると同時に注意を惹きつけたり、逃げる一般人の避難誘導に務めた。
特殊警棒とは、伸縮式の警棒である。
材質は金属製が主だが、まれに強化プラスチック製や硬質ゴム製の物も存在。
収縮時の長さが20cmを
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