暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
111話:『星々(れきし)』(後編)
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立ち上がった彼女(あいつ)も、罪と称し背負い続けようとする彼女(あいつ)も。
 例えどんな困難な状況でも、諦めることはしない。悲しい出来事を、理不尽な痛みを、どうしようもない運命を。認めたくないそれらを、あいつらは必死に変えようとして、いつだって立ち上がる。


「あの人達≠ノ限った話じゃないんだッ。切っ掛けさえあれば誰もがいつだって、立ち上がり戦おうとする!」


 切っ掛け、それはほんの小さな勇気(ほのお)
 自らの内から湧き出たそれを、誰かから受け取ったそれを。人々は胸に秘めて立ち上がるんだ。

 両足に力を込めて、踏ん張って立ち上がる。その足で前へと、未来(さき)へと進む為に。


「立てよ、その両足で! てめぇだって認めたくないんだろ、お前に課せられた運命を! だったら戦って、抗えよ!」
「黙れ…黙れッ!」


 一方の男も、相手に負けない程の怒号を上げる。足に力を入れ、膝に手を添えながら立ち上がる。


「綺麗事を語るな、現実はそんなに甘くは―――」
「だがそれを成し遂げたなら、それは結局できたこと≠ノなるんだ! 綺麗事語れなくなったら、俺達に進化はないッ!」


 男の言葉を途中で遮りながらも叫ぶが、それでも男は否定する。運命は覆せないと、未来は変わらないと。
 再び踏み出し、剣を片手に走り迫る。だが男が迫るのとは反対に、気持ちは落ち着いていた。

 大きく息を吸い、拳を構える。静かに佇む男の視線の先にあるものは…迫りくる敵?
 いや違う、見えているのは先―――運命を覆して変える未来。その未来≠実現する為の拳が、今目覚める…ッ!















 まるでパズルのように、重なり合うことなく輝きを放つ星々。
 それは歩み続けた人々の軌跡、消え失せることのない永遠の輝きだ。


『ハンバーグとか、好き?』
「…はぁ、まぁ」


 どちらかと言えば好物になるのだが…何故急に? と、目の前に立つエプロン姿の青年に尋ねる。
 だが青年はこちらの質問に答えるつもりはなかったのか、「やっぱりいいよね、おいしいし」と言う。


『他にも、カレーとかから揚げとか、どう?』
「いや、まぁ…好きですね」


 というか、王道中の王道だ。嫌いだという方が少ないのでは?
 しかし青年はそれでも、と続ける。


『それをおいしいって思えない人も、どこかにいる』


 悲しいことに、それは事実。そしてそれは何も、その食べ物が嫌いだからというだけではない。
 恐怖や絶望、悲愴。そんな負の感情の所為で、好きだったものすらそう思えないときもあるんだ。


「…そんなの、悲しすぎます」
『そう、だね……でもだからこそ、
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